# スプレッドシートのボタンUIを「複数人×複数案件の同時利用」に耐えさせる（GAS ジョブキュー化）

Google スプレッドシート上に「▶チェックを入れると処理が走る」パネルを作ると、単独利用では動くのに
**複数人が同時に使った瞬間に壊れる**。この指示書は、その壊れ方の全パターンと、ジョブキュー化による直し方、
実装時に必ず踏む落とし穴（ロック・6分制限・API呼び出し回数）をまとめたもの。

対象: GAS + スプレッドシート製の社内ツール（実行パネル / 一括処理ボタン / 承認ボタン等）。
前提: 処理本体は別プロジェクト（またはコンテナ外）にあり、シートは「受付」だけを担う構成にできること。

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## 1. 共有UIが壊れる4パターン（先に理解する）

| # | 壊れ方 | 症状 |
|---|---|---|
| 1 | 上部の「対象セレクタ」セルが全員共有 | A が対象を選んだ直後に B が切り替えると、**A の押下が B の対象で実行される**。エラーは出ない |
| 2 | 機能行が全員共有 | 同じ機能を 2 人が押すと状態セルが上書きされ、**先の予約が黙って消える** |
| 3 | 結果セルが共有 | 誰の・どの対象の結果か分からない。上書きされる |
| 4 | 自由入力欄が共有 | 同時記入で内容が混ざる |

根本原因は **「セルの現在値」を暗黙の引数にしている**こと。onEdit は「押した瞬間のセル」を読むので、
選ぶ→押す の間に他人が変えられる時間帯が必ず存在する。

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## 2. 直し方（設計）

### 2.1 対象ごとにシートを分ける
`▶パネル(対象を選ぶ索引)` + `▶パネル(対象A)` `▶パネル(対象B)` … の構成にする。
対象セレクタという操作自体を無くすのでパターン1,3,4 が消える。

**シートの識別はシート名でなく隠しセルのマーカーで行う**（人が改名しても壊れないため）:

```
G1 = 'PANEL_V2'      // マーカー
G2 = <対象ラベル>     // 実行時の対象解決に使う唯一の正
G3 = <対象の物理位置> // 参考値。ズレても実行はG2から解決する
G5 = <生成日時>
```

### 2.2 1押下 = キュー1行（これが本体）
非表示シート `_ジョブキュー` に append する。ヘッダー固定・**行の削除と並べ替えをしない**（jobIdで追跡）:

```
jobId / 受付日時 / 依頼者 / パネルシート名 / パネル行 / 対象ラベル / 機能ラベル /
command / argsJSON / システムフラグ / 状態 / 開始日時 / 終了日時 / 結果URL / メッセージ / ワーカー
```

- 状態は `待機 / 実行中 / 完了 / エラー / タイムアウト`
- 依頼者は `Session.getActiveUser().getEmail()`。**取れない環境がある前提で、空でも全機能が動くようにする**
- 同じ「パネル+行」に `待機`/`実行中` があれば**新規行を作らず**「既に実行中です（依頼: ○○ / HH:mm）」を toast。
  同じ成果物への同時書き込みを防ぐ

### 2.3 claim ベースのワーカー
毎分トリガーのワーカーを 2 本（`worker1` / `worker2`）置き、1 実行 1 ジョブだけ処理する。

```js
function claimAndRun(workerId) {
  var lock = LockService.getDocumentLock();      // ← §3.1 参照。script lock を使わない
  if (!lock.tryLock(10000)) return null;
  var selected;
  try {
    // 1) 実行中で開始から15分超のものを「タイムアウト」に落とす（GASは6分で強制終了するため）
    // 2) 待機を受付日時昇順に並べ、次を除外して先頭を取る
    //    - 同じパネル（=同じ対象）に実行中がある → 除外（同一対象は直列）
    //    - 同じ依頼者に実行中がある → 除外（1人の連打で他人を待たせない）
    //    - 全部除外されたら「同一対象に実行中が無い最古」を最後の砦として拾う
    // 3) 状態=実行中 / 開始日時 / ワーカーID を書いて flush
  } finally {
    lock.releaseLock();                          // ← 本処理の前に必ず解放する
  }
  // 4) ロック外で本処理（数分かかる）
  // 5) 結果をキュー行とパネル行の両方へ書く
}
```

**結果を書く直前に jobId で行番号を引き直す。** 掃除処理が行削除していると、保持していた行番号が
別ジョブを指し、**他人の結果欄に書き込む**サイレント混線が起きる。

### 2.4 待ち状況を見せる
毎分の軽い処理で、`待機` 行のパネル状態セルに `⏳ 順番待ち (前に n 件)` を書く（1回20セルまで等の上限を付ける）。
「押したのに何も起きない」という問い合わせが消える。

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## 3. 実装時に必ず踏む落とし穴

### 3.1 script lock は「操作経路」と共有してはいけない
`LockService.getScriptLock()` はスクリプトに 1 個しかない。外部からの操作経路（例: ファイル投函型の
コマンドキュー）が 1 実行の間ずっと script lock を持つ設計だと、そこにワーカーを足した瞬間に
**両者が奪い合って操作経路が毎分 skip され、操作不能に見える**。

- ワーカーは `getDocumentLock()`（コンテナバインドなら使える）等に分離する
- ロックは短く。claim だけ守り、本処理はロック外
- 症状の見分け方: 「投函したファイルは消費されているのに結果が返らない」

### 3.2 重い書き込みは 6 分制限に届く（行ごと getRange が致命的）
数式（外部参照系）が多いシートでは 1 回の書き込みごとに再計算が走り、**1 枚のパネル生成で
100 回近い API 呼び出し**があると数分かかる。

- `insertCheckboxes()` / 背景色 / 値は**範囲一括**にする（`setBackgrounds` に二次元配列、
  チェックボックスは列範囲へ一括後、対象外の行だけ `clearDataValidations()`）
- 一覧描画で「行ごとに全シートを走査してリンク先を探す」のは **行数×シート数** になる。
  先に `ラベル→gid` のマップを 1 回だけ作る
- 一括生成は「1 実行 N 枚まで + 残りは自分をもう一度キューに積む」**自己継続方式**にする
  （キューのワーカーが 1 分ごとに 1 枚ずつ進めるので 6 分制限に当たらない）

### 3.3 ファイル投函型のコマンドキューに重い命令を同時投入しない
1 回の実行でフォルダ内の全命令を拾う実装が一般的なので、重い命令を複数投げると
**まとめて 6 分制限で死に、後続の結果ファイルが書かれない**。重いものは 1 件ずつ。

### 3.4 定義の二重管理をやめる
「受付側（シート）」と「実行側（別プロジェクト）」の両方に機能定義を置くと、手で同期する運用になり必ずズレる。
**定義は実行側に単一ソース化**し、受付側は「その行の隠し列（command / args / フラグ）を読んで積むだけ」にする。
受付側は追加権限を要求しない simple onEdit のみで完結する。

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## 4. 検証（ここまでやって初めて完了）

### 4.1 ユニット（実行環境の外で回す）
純関数に切り出して `node --test` で検証する: claim 候補選択（同一対象除外／同一依頼者除外／全除外時の
フォールバック／受付日時昇順）・stale 判定の境界（14分59秒は継続 / 15分01秒でタイムアウト）・
順番待ち件数・重複ガード・**依頼者が空文字でも壊れないこと**。

### 4.2 実機（read-back で確認する）
検証専用のダミー命令（指定秒スリープして固定の結果を返すだけ）を用意し、キューに積んで確認する。

1. **別対象 2 件 → 並行**（開始〜終了が重なること・ワーカーIDが別）
2. **同一対象 2 件 → 直列**（2 件目は 1 件目の終了後に開始）
3. **依頼者が別 → それぞれ処理される**
4. 開始日時を過去に書き換えた行が**タイムアウトに落ちて再実行可能になる**

**ダミーの秒数は長めにする（90〜120秒）**。毎分トリガーは同時刻に発火せず数十秒ずれるため、
短いジョブでは並行しても実行時間が重ならず「並列できていない」と誤判定する。

### 4.3 結果の読み取りを速くする小技
索引シートを**先頭シート**にしておくと、スプレッドシートを CSV エクスポートするだけで
索引の中身をそのまま読める（read-back が一気に速くなる）。

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## 5. 移行時の注意

- 旧パネルのシート名を**変えずに中身を索引へ差し替える**と、既存の案内リンク・メニューが生きたまま移行できる
- 受付側の onEdit を先に配ってから索引を作ると、**旧パネルの行を押した人が意図しないシートを生成する**空白期間ができる。
  受付側の配布と索引の再構築は間を空けない。索引で解決できないラベルの行は**作らずに toast で止める**
- 対象別シートは「使う人が開いたときだけ作る」+「終了した対象は N 日後に自動で非表示（削除はしない）」で
  タブの増殖を抑える

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<!-- 出典: マキモノ (スプレッドシートのボタンUIを複数人同時利用に耐えさせる(GASジョブキュー化) v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/ui-gas -->
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