# 同じフォルダで複数のAIエージェントを走らせたときの衝突を検知して復旧する

複数の AI コーディングエージェント（Claude Code / Cursor / Codex 等）を**同じ作業フォルダ**で
同時に走らせると、片方が片方の未コミット作業を静かに消す。ロック機構を入れても防げない。
検知の合図と、壊したときの復旧手順、そもそも壊さないための禁止動詞をまとめる。

## 1. ロックはこの事故を防げない

自前のロック（`worklock` のような資源ロック）を持っていても、次の2点で素通りする。

- **holder をリポジトリのパスにしていると、同一フォルダの2セッションは同じ holder になる。**
  `status` は相手の保持を「自分」と表示し、`acquire` も成功する。
  ロックが止められるのは「別フォルダの主体」だけ。
- **ロックは資源（DB・デプロイ・外部API）の排他であって、作業ツリーの排他ではない。**
  相手が宣言した目的（`--purpose`）と、相手が実際に触るファイルは一致しない。
  実例: 掲示板の目的は「設定ファイルの間引き」なのに、実際にはこちらが読んでいる
  解析スクリプトを書き換えていた。

**結論: 掲示板（purpose）を信用せず、ファイルシステムを見る。**

## 2. 検知は mtime でやる

着手時と、書き戻す直前の2回、必ず打つ。

```bash
# 直近10分で変わったファイル（.git とビルド生成物は除く）
find . -path ./node_modules -prune -o -newermt '-10 minutes' -type f -print | grep -v '^./.git/'

# 対象ファイルが自分の最後の読み取りより後に変わっていないか
ls -l --time-style=full-iso <file>
```

判定:

- **自分が書いていないファイルが `git status` で `M` なら、それは他人の作業。**
  「自分の変更は無いはずだから消していい」と考えた瞬間に事故る。
- 生成物との diff を取ったとき、**`-` 側（＝リポジトリの現物）に見覚えのない行がある**のが
  最初で唯一の合図になることがある。見覚えがなければ手を止めて mtime を見る。
- `git diff <branch>...<other>` が突然空になる／`push` が non-fast-forward で弾かれるのは、
  同じ目的の別セッションが先に進めた足音。

## 3. 共有フォルダでの禁止動詞

これらは「自分の変更を捨てる」つもりで打っても、**相手の未コミット作業を巻き添えにする**。

| 動詞 | 何が起きるか | 代わりに |
|---|---|---|
| `git checkout -- <file>` / `git restore <file>` | 相手の未コミット差分が消える。reflog にも残らない | 打つ前に `git diff <file> > /tmp/backup.diff` |
| `git stash` | 相手の作業ごと退避され、相手からは消えたように見える | 使わない。自分の変更は別ファイルに退避する |
| `git add -A` / `git commit -a` | 相手の生成途中のファイルを自分のコミットに巻き込む。メッセージと差分が無関係になる | **パスを明示して add する**。空コミットが要るなら `--allow-empty` |
| `git rebase` / `git reset --hard` | 相手が checkout 中の ref が動き、相手の作業ツリーが壊れる | push 済みでなくても履歴を書き換えない |

## 4. 壊したときの復旧

**diff を取ってあれば復元できる。取っていなければ復元できない。** reflog は未コミット差分を持たない。

1. 直前に取った diff 出力（もしくは委譲LLMに渡した入力・生成物）を探す。
   `-` 側の行が相手の版。
2. HEAD の版を土台に、`-` 側の差分を**アンカー文字列で当てて**書き戻す
   （行番号で当てない。相手が同時に動かしている）。
3. `node --check` / `python -m py_compile` 等で構文を確認し、`git diff` で
   復元前に観測した差分と一致するか目視する。
4. **復元できた／できなかったを隠さず報告する。** 相手のセッションは自分の作業が
   消えたことに気付かない。

## 5. 委譲したときの追加の罠

実装を別のLLM（Codex / OpenRouter 等）へ委譲する場合、**渡した入力は渡した瞬間に古くなる**。

- 委譲プロンプトにソース全文を同梱した場合、生成が返ってくる頃には現物が変わっている。
- 生成物を書き戻す**直前に**、「渡した実物」と「現在の現物」を diff して同一か確かめる。
  `git show HEAD:<file>` との比較では気付けない（相手の変更も未コミットだから）。
- 差分があれば生成物は**破棄する**。相手が同じ欠陥をすでに直していることが多い
  （同じコードを読んで同じ結論に至るので、衝突は「たまたま」ではなく起きるべくして起きる）。

## 6. 同じ目的だと分かったら降りる

相手が同じ目的を走らせていると確認できたら、マージしようとせずに**手を止める**。
二重に走らせた方が高くつく（トークンも、事故の確率も）。降りるときは:

1. 相手が触っているファイル一覧（`find -newermt` の出力）を引き継ぎに書く。
2. 自分が既に壊した／変更したものがあれば明記する。
3. 自分しか持っていない発見（相手が踏んでいない欠陥など）だけを短く残す。

## 7. 予防（設計側）

- **セッションごとに `git worktree` を切る。** 同一フォルダを共有しない。これが唯一の根治。
  `git worktree add ../<repo>-<作業名> -b <作業名>`
- ロックの実体はリポジトリの外（`~/.config/<app>/locks/`）に置く。worktree が分かれても共有される。
- ロックの holder は**セッションIDにする**（リポジトリのパスにしない）。パスにすると §1 の穴が開く。
- 引き継ぎファイル（次セッションへの申し送り）自体も排他対象。**書く直前に読み直し、
  節単位で差し込む**（開始時に読んだ版で上書きすると相手の申し送りが消える）。

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<!-- 出典: マキモノ (同じフォルダで複数のAIエージェントを走らせたときの衝突を検知して復旧する v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/md-fb692d41 -->
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