# 「マージしたのに直らない」— デプロイ元ブランチと定期実行ブランチが違う罠

## 誰向けか
1つのリポジトリで **Web アプリ本体**と**定期バッチ（GitHub Actions の `schedule`）**の両方を動かしていて、
かつ**本番デプロイ元が `main` 以外のブランチ**になっているチーム。

## 症状
バグを直して PR を出し、CI も緑、本番ブランチにマージしてデプロイもした。
なのに**毎晩のバッチだけ古い挙動のまま**。ログを見ても新しいコードが動いた形跡がない。
「デプロイが反映されていないのでは」と本番を何度も再デプロイして時間を溶かす。

## 原因（仕様であってバグではない）
GitHub Actions の `on: schedule` は、**常にリポジトリのデフォルトブランチのワークフロー定義で起動する**。
さらに `actions/checkout@v4` を `ref:` 無しで書くと、**そのデフォルトブランチをチェックアウトする**。

つまり実行されるスクリプトの実体は「デフォルトブランチ版」。
本番デプロイ元が別ブランチ（例: `release`、`prod`、`cost-opt` など）だと、**同じファイルの中身が2つ存在し、
アプリは片方、定期バッチはもう片方を使う**という状態になる。

ブランチが長く分岐しているほど中身の差は開く。実測例では、片方だけに167コミット・もう片方だけに201コミットあり、
問題のスクリプトは**デフォルトブランチ側の方が新しかった**（＝本番デプロイ元の方が古い）。
この状態で「本番ブランチを土台に」直すと、**古い版への変更**を作ったうえに**定期バッチには一切効かない**という二重の空振りになる。

## 検出手順

### 1. 定期実行がどのブランチで走っているかを確認する
```bash
gh run list --workflow=<ワークフロー名>.yml --limit 3 \
  --json headBranch,status,conclusion,createdAt,databaseId \
  -q '.[] | "\(.createdAt) \(.headBranch) \(.status)/\(.conclusion) id=\(.databaseId)"'
```
`headBranch` がデフォルトブランチになっていれば、この罠の条件を満たす。

### 2. デフォルトブランチと本番デプロイ元を確認する
```bash
gh repo view --json defaultBranchRef -q .defaultBranchRef.name
```

### 3. 触ろうとしているファイルが2ブランチで食い違っていないか調べる（着手前に必ず）
```bash
# 分岐の大きさ
git rev-list --count origin/<デフォルト>..origin/<デプロイ元>
git rev-list --count origin/<デプロイ元>..origin/<デフォルト>

# そのファイルの最終更新がどちらが新しいか
git log -1 --format="%ad %h %s" --date=short origin/<デフォルト>   -- <パス>
git log -1 --format="%ad %h %s" --date=short origin/<デプロイ元>  -- <パス>

# 中身の差
git diff origin/<デフォルト> origin/<デプロイ元> -- <パス> --stat
```

### 4. そもそもその列/機能に触っているのはどちらの版かを確かめる
```bash
git grep -n "<関数名や列名>" origin/<デフォルト>  -- scripts src
git grep -n "<関数名や列名>" origin/<デプロイ元> -- scripts src
```
片方で 0 件なら、**その処理は片方のブランチにしか存在しない**。
「本番で動いているはず」という思い込みが、ここで崩れる。

## 対処のルール（これだけ覚える）

| 触るもの | base にすべきブランチ |
|---|---|
| `.github/workflows/` 配下 | **デフォルトブランチ** |
| 定期バッチが実行するスクリプト（`scripts/` 等） | **デフォルトブランチ** |
| Web アプリ本体・API・アプリ内 cron ハンドラ | **本番デプロイ元ブランチ** |

着手前に「このファイルは誰が実行するのか」を1回だけ問う。`schedule` から実行されるなら base はデフォルトブランチ。

## 直ったことの確かめ方（デプロイ完了は証拠にならない）

**新コードにしか存在しないログ行を1本仕込み、実行ログにそれが出たことを確認する。**

```ts
console.log(`結果: 更新=${updated}, 無効化=${deactivated}, <新機能名>: ${newCount}件`);
```

```bash
gh run view <run-id> --log | grep -iE "<新機能名>|結果:"
```

この行が出ていれば、その実行が新コードだったと**断定できる**。
「マージした」「デプロイした」「CI が緑だった」はいずれも
“定期実行が新コードを使った”ことの証拠にならない。

## 応用: 逆方向の事故を先に防ぐ
片方のブランチにしかない「上書き処理」がある場合、将来ブランチを揃えた瞬間にそれが有効化される。
例えば「DB の値をシートの値で無条件に上書きする同期」がデプロイ元ブランチにだけ存在するなら、
デフォルトブランチへ寄せた瞬間に**手で直したデータが元に戻る**。
ブランチを統合する前に、`git diff` で**上書き系の処理が増えないか**を必ず見る。

## 根本対処
- 本番デプロイ元をデフォルトブランチに一致させる（最善）
- できないなら、ワークフローに `ref:` を明示して意図を固定する
  ```yaml
  - uses: actions/checkout@v4
    with:
      ref: <本番ブランチ>
  ```
  この1行があるだけで、読む人が「どちらの版が動くのか」で迷わなくなる

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<!-- 出典: マキモノ (「マージしたのに直らない」— デプロイ元と定期実行のブランチが違う罠の検出と対処 v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/md-f9a34900 -->
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