# 「進めない先へ進んで空転する」を弾くガードが、代わりに全部の委譲を殺すのを防ぐ

AI エージェントに実装を委譲していると、**進めないと分かっている先へ進んで時間だけ溶かす**失敗が出る。
典型は、サブのコーディング CLI（gemini-cli / qwen 系）へフォールバックしたとき:

```
Error executing tool write_file: Path not in workspace: Attempted path "<別ツリー>"
resolves outside the allowed workspace directories: <起動時の cwd>
```

これを延々と繰り返してタイムアウト上限まで走り、**出力ゼロで終わる**。実測では 1 回あたり 18 分。

この指示書は、その欠陥を弾くガードの入れ方と、**ガードそのものが事故になるのを防ぐ検証手順**を書く。
後者が本題。素直に実装すると、高確率で「全部の委譲が落ちる」状態を作り込む。

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## 1. まず原因を正しく掴む（ここを間違えると直らない）

多くのコーディング CLI は **許可ワークスペースの root が「起動時の cwd」ただ1つ**で、
それを広げるオプション（`--include-directories` 等）を渡していない限り、cwd の外は読み書きできない。

つまり欠陥の条件は「cwd が変なところ」ではなく:

> **cwd と、指示が読み書きしようとする対象パスが、別のツリーに分かれている**

**確認手順**（推測で実装に入らない）:

1. 同じ cwd で「その中だけを読む」指示を 1 回投げる → **正常終了するはず**。これで「cwd 自体が悪い」説が死ぬ。
2. 失敗した実行のログから `Path not in workspace` の行を拾い、**拒否された実パス**と
   **許可されていた root** を読む。2 つが別ツリーなら確定。
3. フォールバック呼び出しの引数を組み立てている関数を読み、範囲を広げるフラグが
   渡っていないことを確認する。

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## 2. ガードの設計

起動する前に弾く。中身は 2 つの純関数に分ける（テストしやすくするため）。

```
pathsOutsideCwd(instructionText, cwd) -> string[]
  指示文に出てくる絶対パスのうち cwd の外にあるものを列挙

hasTargetInsideCwd(instructionText, cwd) -> boolean
  指示文が cwd の中の対象にも触れているか
```

呼び出し側:

```
const outside = allowOverrideFlag ? [] : pathsOutsideCwd(instruction, cwd);
// 外を参照していても、中に作業対象があるなら通す（次章の理由）
const blocked = outside.length && !hasTargetInsideCwd(instruction, cwd) ? outside : [];
if (blocked.length) {
  // cwd 単独スコープの CLI 系バックエンドだけ候補から外す。
  // API 直叩き系（ファイルを渡す方式）は影響を受けないので残す。
  backends = backends.filter(b => !isCwdScopedCli(b));
}
```

実装の細かい罠:

- **前方一致で内外を判定しない。** `C:\repo\main-backup` を `C:\repo\main` の内側と誤判定する。
  必ず区切り文字を付けて比較する（`root + sep` で `startsWith`）。
- 素の `/` 始まりを絶対パスとして拾わない。URL やコマンドラインフラグと区別できない。
  ドライブ付き（`X:\`）と `~/` 始まりだけを見る。
- `http://` `https://` を含む文字列は除外する。
- 大小を無視する OS では正規化して重複を潰す。
- 文末の句読点（`…/x.js。` `…/x.js,`）を切り落とす。
- 相対パスを「作業対象」と数えるのは **cwd の下に実在するときだけ**。架空のパスで素通りさせない。
- **人が承知で押し切るフラグを必ず 1 つ残す**（`--allow-outside-workspace` 等）。

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## 3. ここが本題 — ガードは「通す側」を実測するまで完成ではない

素直に実装すると、次の 2 つを踏む。どちらも「直った」と報告した後に本番を壊す。

### 罠 A: 判定の入力が「組み立て後の文字列」になっている

多くの委譲ツールは、人が書いた指示の前に**文脈（プロジェクトの記憶・規約・過去の失敗集）を自動で連結**してから
サブ CLI に渡す。この連結後の文字列を判定に使うと、**文脈側に必ず含まれる設定ディレクトリのパス**
（`~/.config/...` `~/.<tool>/...` など）が毎回「cwd の外」として検出される。

結果、**あらゆる委譲がフォールバックを失う**。サブ CLI が唯一の実行手段になっている機体では、
夜間バッチごと全滅する。

**対策**: 判定に使うのは**人が書いた指示そのもの**。連結前の変数を使う。
コード上は `prompt`（連結後）と `instruction`（生）のように別変数になっていることが多い。

### 罠 B: 「外を参照している」だけで弾いている

指示文が説明のために外部パスを 1 行引用しただけでも落ちる。仕様書には参照先を書くのが普通なので、
これも実質的に全滅コースになる。

**対策**: 弾く条件を **「外を参照していて、かつ cwd の中に作業対象が 1 つも無い」** まで狭める。

### 検証は必ず 2 本立てる（対照群）

| | 入力 | 期待 |
|---|---|---|
| **A: 弾くべき** | 欠陥の再現ケース（対象が全部 cwd の外） | 即座に 1 行報告して終了 |
| **B: 通すべき** | 日常の指示（cwd の中に対象がある） | 素通りしてサブ CLI が実際に完走 |

**B を実物で通すまで完了にしない。** B は所要秒数で判別できる。弾かれていれば即座に返る＝実行していない。
実測例: A は 1090 秒 → 30 秒、B は素通りして 96 秒で完走。

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## 4. 起きなかったことを残す

弾いた結果「何も実行しなかった」は、放っておくと**記録が何も残らない**。
後日「その時間、何をしていたのか」が追えなくなるので、利用ログへ 1 行だけ追記する。

```json
{"t":"…","provider":"fallback","model":"none","out":0,"status":1,
 "secs":38.995,"abort":"outside_workspace","outsidePaths":["…"]}
```

既存の記録関数が引数の形を変えていて任意キーを書けないことがある。その場合は**記録関数を通さず
ログへ直接 1 行追記する**（無理に共通化して書けないキーを諦めない）。

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## 5. ガードのメッセージに入れる要素

1 行で、次の 4 つを必ず含める。これが無いと人が自力で直せない。

- なぜ止めたか（外を参照していて中に対象が無い）
- 今の cwd
- 引っかかった実パスの例（2〜3 件）
- **回避策**（cwd を共通の親へ広げる / 指示に全文を同梱する / 押し切るフラグ）

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## 6. チェックリスト

- [ ] 「cwd 自体が悪い」説を、同じ cwd の読み取り専用指示 1 回で否定した
- [ ] 判定の入力が**連結前の指示文**になっている
- [ ] 弾く条件が「外を参照 **かつ** 中に対象が無い」まで狭い
- [ ] 前方一致の罠（`main` と `main-backup`）を潰した
- [ ] 押し切るフラグがある
- [ ] **A（弾く）と B（通す）の両方を実物で 1 回ずつ流した**
- [ ] 弾いたときログに 1 行残る
- [ ] メッセージに cwd・実パス・回避策が入っている

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<!-- 出典: マキモノ (「進めない先へ進んで空転する」を弾くガードが、代わりに全委譲を殺すのを防ぐ v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/md-b0d5eee9 -->
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