# 配布した自動化スクリプトが「自分自身を更新できない」問題の根治と、人手ゼロ復旧の3層設計

複数端末へ配った hook / 常駐スクリプト / CLI が、**エラーも出さずに古いまま止まり続ける**のを止めるための設計と点検手順。
「配布したのに誰にも届いていない」は、配布側からは成功に見えるため、気づくまで数か月かかる。

## 前提となる構成（読み替えて使う）

- `<配布リポジトリ>` … 公開 Git リポジトリ。`tools/`（スクリプト）、`skills/`（AIエージェント用の手順書）などを配る
- `<HOME>/<配布リポジトリ名>/` … 各端末に置かれるリポジトリのコピー
- `<HOME>/.<エージェント設定>/hooks/` … セッション開始時などに実行される**フックのコピー置き場**
- `<通知チャンネル>` … 実行結果を投げる Webhook（Slack / Discord / Teams など）

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## 1. 最大の罠: フックの「凍結コピー」

インストーラが `repo/tools/sync.ps1` を `<HOME>/.<エージェント設定>/hooks/sync.ps1` へ**コピー**し、
設定ファイルにはそのコピーのパスを登録する、という構成は一般的だ。ここに致命的な穴がある。

> **セッション開始時に実行されるのはコピーの方**なので、リポジトリ側の `sync.ps1` をいくら改善しても、
> **そのコピー自身は誰も更新しない**。インストールした日の版が永久に動き続ける。

実際に、7月にインストールした端末が2か月後も7月版のまま動いており、
その間に入れた改善（鍵の配布・新しい手順書の配布）が**1つも届いていなかった**。

### 対策: 同期に成功した直後、自分自身を置き換える

```
# 疑似コード（リポジトリ同期が成功した直後に実行する）
source = <repo>/tools/sync.ps1
target = <HOME>/.<エージェント設定>/hooks/sync.ps1
if exists(target) and hash(source) != hash(target):
    copy(source -> target)
    log("hook updated (effective from next session)")
```

- **コピー先が存在しないときはコピーしない**（その端末はコピー方式を使っていない。勝手に増やさない）
- 実行中に自分自身を上書きすることになるが、スクリプトは既に読み込み済みなので問題ない。**次回起動から新版**
- 失敗しても後続処理を止めない（try/catch でログだけ残す）

**ただしこれは「次の凍結」を防ぐだけで、すでに凍結済みの端末は救えない**（その版に自己更新処理が無いため）。
既存端末には下の第3層が要る。

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## 2. 「実行シェルの違い」で片方の機能だけが静かに死ぬ

インストーラが `shell = 新シェルがあれば新シェル、無ければ旧シェル` のように分岐している場合、
**旧シェルにしか無い制約**で一部の処理だけが失敗する。しかも他の処理は生きているので**症状が出ない**。

実例（Windows）: 新しいシェルなら使える HTTP クライアントのクラスが、旧シェル（プリインストール版）では
既定でロードされておらず解決できない。結果、`fetch failed` → `return` となり、
**「ルール文書の同期だけ」が全端末で止まっていた**。リポジトリ同期は別の try 節にあったので生き延び、
誰も異常に気づかなかった。

### 対策

- ネットワーク取得は**必ず代替経路を用意**する（モダンAPIで試し、失敗したら旧シェルでも通る標準コマンドへフォールバック）
- 旧シェルでは TLS のバージョン指定が必要な場合がある（明示的に有効化する）
- **配布物のテストは「最も古い実行環境」で1回実走する**。開発機の新シェルで通っても意味がない

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## 3. 人手ゼロで直す3層設計

端末の壊れ具合は一様ではない。**層を分けて、それぞれに届く経路を用意する**。

| 端末の状態 | 届く経路 | 人の操作 |
|---|---|---|
| スクリプト一式はあるが古い | **層1: 中央コマンドキュー** | なし |
| スクリプトが1本も無い（キューを読むツールすら無い） | **層2: ルール文書に書いた自己修復手順** | なし（普通に使うだけ） |
| 上記が効いたか確認したい | **層3: 生存digestの自動通知** | なし（読むだけ） |

### 層1: 中央コマンドキュー

リポジトリに1個の JSON を置き、各端末が定期実行時に取得して**1回だけ**実行する。

```json
{
  "runId": "<毎回ユニークな文字列>",
  "task": "rules-resync",
  "targets": "all",
  "_allowed_tasks": ["verify-setup", "rules-resync", "report"]
}
```

- **ホワイトリスト方式が絶対**。`task` を任意コマンドとして実行してはいけない（リポジトリが改竄されたら全端末で任意実行になる）
- `runId` を端末側のファイルに記録して二重実行を防ぐ
- **注意**: `runId` を「実行前」に記録すると、失敗しても再試行されない。成否も記録して再試行可否を決めるほうがよい
- **注意**: タスクの実体を「凍結コピー側」のパスで書かない（層1が層1の問題を踏む）。
  必ず**リポジトリ側の最新スクリプト**を優先し、無い場合だけフォールバックする

### 層2: ルール文書に自己修復手順を書く

壊れた端末に**唯一届く経路はルール文書の同期**であることが多い（それがフックの本来の仕事だから）。
そこでルール文書に、AIエージェント自身が実行する判定と復旧を書いておく。

```markdown
### 自己点検（セッション開始時に1回）
次の3点を確認し、1つでも欠けていたら復旧コマンドを実行する（人には頼まない）。
1. <HOME>/.<エージェント設定>/skills/<必須skill>/SKILL.md が存在するか
2. <HOME>/<配布リポジトリ名>/tools/sync.mjs が存在し、最新版の目印となる関数名を含むか
3. 設定ファイルのセッション開始フックに sync.mjs が登録されているか

### 復旧（1コマンド。インストーラを取り直して実行する）
<インストーラを取得して実行する1行>
```

**ここで踏みやすい罠**:
- **コマンド中に `~` を書かない**。多くのシェルは**引数の中の `~` を展開しない**ので、
  `node ~/repo/tools/x.mjs` は必ずファイルが見つからずに落ちる。環境変数か、スクリプト内で `os.homedir()` を使う
- **個別ファイルを1本ずつ取り直さない**。依存モジュールが芋づる式に足りず、その都度落ちる。
  **一式を入れ直すインストーラ経由が確実**
- インストーラが `rm -rf <repo>` 相当で置き換える実装なら、
  **未コミットの変更がある作業ツリーは削除せず pull のみ**にするガードを入れる（開発機で実行すると作業が消える）

### 層3: 生存digestを毎朝1通

「直ったか」を人が目視で突き合わせる作業を残さない。

- **通知先の Webhook は書き込み専用**なので、それを読み返して集計することはできない。
  読み取り用の資格情報を新設する前に、**すでに書き込んでいる先（表計算・DB）を読めるようにする**方が安い
- 集計はスケジューラ（CI のスケジュール実行など）に置く。**特定の1台の電源状態に依存させない**
- 出力例:

```
🖥 生存digest (YYYY-MM-DD)
✅ 24h以内に報告: N台 — …
⚠️ 24〜72h: N台 — …
🚨 72h超/未報告: N台 — …
```

- **識別子だけを並べない**。人が読める名前と機械ラベルを併記する（`作業端末A(HOST-1234)`）

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## 4. 「緑なのに何も起きない」を必ず潰す

この種の仕組みは**失敗を握り潰すと検知不能**になる。実際に踏んだもの:

- スケジュール実行は **success** なのに通知が1通も来ていなかった。原因は取得のタイムアウトを
  `catch` して `exit 0` していたこと。→ **失敗時は通知先にも失敗を投げ、終了コードを非ゼロにする**
- CI の Secret に登録した Webhook が**死んでいた**（HTTP 404）。各端末のローカル設定にある Webhook は生きていた。
  → **中央と端末で同じ秘匿値の生死がズレる**。定期的に疎通確認し、生きている値から復元する
- 通知本文の要約を「特定の文字列を含む行だけ」で作ると、対象コマンドの出力形式が違うだけで**本文が空**になる。
  空なら末尾数行をそのまま載せる等のフォールバックを入れる

## 5. 実装後に必ず実測すること（机上で終わらせない）

1. **偽の凍結コピー**（中身が1行だけのファイル）を置いて同期を実行し、**実サイズが最新版に置き換わる**ことを確認する
2. **最も古い実行環境**で1回実走し、生成物（同期されたルール文書など）が実際にできることを確認する
3. **空のホームディレクトリ**を作り、環境変数でそこを指して実行し、配布物が**実際に配置される**ことを確認する
   （「配布しました」とログに出しても、対象ディレクトリの導出が違って**1件も置かれない**ことがある）
4. 通知は**投稿後にチャンネルを読み返す**。API が 200 を返したことは、人が読める形で届いた証拠にはならない

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<!-- 出典: マキモノ (配布した自動化が「自分を更新できない」問題の根治と人手ゼロ復旧の3層設計 v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/md-8b94cacb -->
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