# 機能を封鎖したら「相乗りしていた検証」も死ぬ — 未検証のゼロを画面から追い出す型

危険な機能（本番への書き込み、外部への送信、破壊的な一括処理）を後から封鎖するのは正しい判断だ。
だがそのフラグの下でしか走っていなかった**検証処理**が、封鎖と同時に道連れで死ぬことがある。

死んだことは画面に出ない。出るのは **未検証のまま計算された 0** で、これは
「調べた結果ゼロだった」と字面で見分けがつかない。ツールは平然と嘘の警報を出し続ける。

この指示書は、その事故の作り方・見つけ方・直し方と、二度と起きない数え方を示す。
言語は任意（例は Node.js）。対象は「本番の状態を読み、異常を数えて報告する」CLI・バッチ全般。

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## 1. 事故の形（実例・1週間気付かれなかった）

在庫の穴（売れる状態になっていない日）を数えて報告する CLI があった。
書き込み機能 `--open` は、外部 API 側の制約が判明したため後から封鎖された。

```js
if (OPEN) {
  console.error('--open は使えません（API 側の制約。管理画面から操作すること）');
  process.exit(2);       // ← 封鎖。判断としては正しい
}
```

ところが、ダブルブッキング防止のための**実予約の突き合わせ**が、同じフラグにぶら下がっていた。

```js
// 「開けるときだけ重い照合をすればいい」という、封鎖前は妥当だった最適化
const occupied = OPEN ? await occupiedSet() : new Set();
```

`OPEN` は封鎖により二度と true にならない。つまり `occupiedSet()` は**全モードで一度も呼ばれない**。
`occupied` は常に空集合。そして集計はこう出ていた。

```
閉じている室日: 12（うち開けられる 12 / override・実予約 0）
exit 1
```

実際は 12 のうち 4 が**実予約**、8 が**それに従属する在庫**で、開けられる日は **0** だった。
つまり **12件ぶんの嘘の「対応が必要」警報**を、封鎖の日から出し続けていた。

**封鎖のレビューでは「書き込みは安全になった」しか見ていない。**
読み取り側の意味が変わったことを誰も見なかった。これが事故の本体だ。

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## 2. 同じ地雷を自分のコードから掘り出す

封鎖・削除・フィーチャーフラグ off をした**その日**に、次を機械的にやる。

### 2.1 フラグ名で全参照を数える

```bash
# 封鎖したフラグ名で、コード中の全参照を出す
grep -rn "OPEN\b" --include='*.js' --include='*.mjs' --include='*.ts' src/ tools/
```

出てきた参照を1つずつ「これは**操作**か、**検証**か」で仕分ける。
操作なら封鎖されて正しい。**検証なら、それは今日から死んでいる。**

### 2.2 危ない書き方のパターン

次の3つは「検証をオプション扱いにしている」合図。フラグ封鎖と相性が最悪なので、見つけたら疑う。

```js
const checked = FLAG ? await expensiveCheck() : new Set();   // 空で代用している
const list    = FLAG ? await fetchAll()      : [];           // 空配列で代用している
if (FLAG) { validate(); }                                    // 検証そのものが分岐の中
```

共通するのは **「検証しなかった」を「検証した結果、何も無かった」と同じ値で表現している**こと。
`new Set()` も `[]` も「空」であって「未確認」ではない。型が嘘をついている。

### 2.3 到達不能になっていないか

封鎖が `process.exit()` で行われている場合、そのフラグを見る**後続コードは全部デッドコード**になる。
カバレッジを取ればゼロ行として出るが、多くの現場では CLI にカバレッジをかけていない。
かける気がないなら、封鎖の直後に一言残しておくだけでも次の人が助かる。

```js
// NOTE: 以降 OPEN は常に false。OPEN を条件にした処理は到達しない。
// 追加するときは「検証」を OPEN にぶら下げないこと。
```

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## 3. 直し方 — 未検証のゼロを構造的に出せなくする

### 3.1 検証はフラグから外し、常時実行にする

```js
// 変更前: 書き込むときだけ照合していた
const occupied = OPEN ? await occupiedSet() : new Set();

// 変更後: 表示するだけでも照合する。省きたい人だけが明示的に省く
const occupied = NO_CHECK ? null : await occupiedSet();
```

**既定を「検証する」にする**のが要点。省略はオプトインにし、省略した事実が画面に出るようにする。

### 3.2 「未確認」を数字と別の値で持つ

`null` を「未確認」、`Set`/数値を「確認済み」として型で区別する。
表示の直前で分岐し、**未確認なら数字を出さない**。

```js
const occupiedDisp = NO_CHECK ? '未確認' : totalOccupied;
const holeDisp     = NO_CHECK ? '未確認' : totalHole;
console.log(`閉: ${totalClosed}（予約 ${occupiedDisp} / 保留 ${totalOverride} / 本当の穴 ${holeDisp}）`);
```

個別の明細行も同じ規律で書く。**ここを忘れると、合計だけ「未確認」なのに明細が断定するという
自己矛盾したレポートになる**（実際にやらかした）。

```js
// 悪い: 照合していないのに「対応が必要」と断定している
skips.push(`${name}: ${holeDays.length}件が対応必要`);

// 良い: 断定できるのは照合した時だけ
const label = NO_CHECK ? '未照合のため判定不能' : '対応必要';
skips.push(`${name}: ${holeDays.length}件が${label}`);
```

### 3.3 原因ごとにバケツを分け、合計を不変条件にする

事故った表示は `うち対応できる N / その他 M` の**2分割**だった。
原因が「その他」に混ざるので、片方の判定が死んでも数字は破綻せず、誰も気付けない。

原因の数だけバケツを用意し、**合計が母数と一致すること**を不変条件にする。
どれか1つの判定が死ぬと合計が合わなくなり、その場で露見する。

```js
let total = 0, byBooking = 0, byHold = 0, byDerived = 0, byGap = 0;

for (const d of closedDays) {
  total++;
  // 優先順位を明示的に決める（同じ日が複数の理由に当たっても1回だけ数える）
  if (occupied && occupied.has(key(roomId, d)))      byBooking++;
  else if (state.get(d).hold !== 'none')             byHold++;
  else if (isDerivedUnit(unit))                      byDerived++;   // 他ユニットから算出される在庫
  else                                               byGap++;       // 本当に対処すべきもの
}
console.assert(byBooking + byHold + byDerived + byGap === total, '内訳の合計が母数と一致しない');
```

### 3.4 終了コードは「対処すべきものがあるか」に合わせる

封鎖前の終了コードは「閉じている日が1日でもあれば 1」だった。
だが実予約で閉じているのは**正常**であって、人が何かする必要はない。
これで exit 1 を出す道具は狼少年になり、やがて誰も終了コードを見なくなる。

| 終了コード | 意味 |
|---|---|
| 0 | 全部説明がついた。対処不要 |
| 1 | **対処すべきもの**（最後のバケツ）が1件以上ある |
| 2 | **判定不能**（照合を省いた／データが取り切れなかった） |

「異常があるか」ではなく「**人が動く必要があるか**」に合わせるのが読まれる終了コードの条件。

### 3.5 ページングの取りこぼしも「判定不能」に倒す

検証を常時実行にすると、今度は**検証用データの取得漏れ**が新しい嘘の源になる。
「上限100件までしか返らない API を、1年ぶんの窓で1回だけ叩く」と静かに欠落する。

```js
// 窓を暦月で割って複数回取り、それでも溢れる月は数字を出さない
for (const [from, to] of splitByMonth(FROM, TO)) {
  const r = await fetchBookings({ from, to });
  if ((r.count || 0) > (r.items || []).length) {
    undeterminable.push(`${from}〜${to}`);      // ← 握りつぶさない
  }
  for (const b of r.items || []) { /* 集計 */ }
}
if (undeterminable.length) {
  console.warn(`判定不能な期間: ${undeterminable.join(', ')}`);
  process.exit(2);                              // 誤った数字を出すより止まる
}
```

**分割して統合するときは、識別子で重複排除する。** 期間の境界をまたぐレコードは
両方の呼び出しで返ってくる。

```js
const key = b.id ? String(b.id) : `${b.unitId}|${b.start}|${b.end || ''}`;
```

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## 4. 直したことを「実行して」確かめる

読み戻しやテストのグリーンでは足りない。**修正前後の同じコマンドを本番データで走らせ、
数字と終了コードが変わったことを並べる**。これが唯一の証拠になる。

```bash
# 修正前のコードを一時ファイルに取り出して同じ窓で走らせる（作業ツリーは汚さない）
git show HEAD:tools/report.mjs > tools/.tmp-report-old.mjs
node tools/.tmp-report-old.mjs --from 2026-12-01 --to 2027-01-10 | tail -3; echo "exit=$?"
rm -f tools/.tmp-report-old.mjs

node tools/report.mjs --from 2026-12-01 --to 2027-01-10 | tail -3; echo "exit=$?"
```

⚠️ **`git stash` や `git checkout -- <file>` で切り替えないこと。**
同じ作業フォルダで別のエージェントや人が編集していると、その未コミットの変更ごと消える。
`git show <rev>:<path>` で別ファイルに取り出すだけなら誰の作業も壊さない。

結果はこう並べる。片方だけでは「直った気がする」で終わる。

| 窓 | 修正前 | 修正後 |
|---|---|---|
| 単一ユニット・15日 | 対応必要 7 / 予約 0 · **exit 1** | 予約 7 / 対処必要 0 · **exit 0** |
| 全ユニット・41日 | 対応必要 12 / 予約 0 · **exit 1** | 予約 4 / 従属 8 / 対処必要 0 · **exit 0** |

2行目のように「**嘘の警報が何件出ていたか**」が言える形にすると、
封鎖のレビューで何を見落としたのかが次の人にも伝わる。

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## 5. 実装を安いモデルに委譲するときの受け入れ基準

この種の修正は仕様が明確なので委譲に向く。ただし**必ず落ちる型の不良がある**ので、
仕様書に「やってはいけないこと」として先に書き、受け入れ時にこの順で見る。

1. **複合キーから次元が落ちていないか。**
   実例: 占有判定のキーが `unitId|date` から `date` だけになり、
   **別ユニットの予約で当該ユニットが埋まっていると判定する**コードが返ってきた。
   構文も型も通り、テストが無ければ気付けない。**キーの構成要素を仕様に明記して照合する。**
2. **最後の出力で使う変数が全部宣言されているか。**（未宣言のまま集計変数を使う版が返ってきた）
   `node --check` は構文しか見ないので通ってしまう。**必ず1回実行する。**
3. **追加した分岐の中身が空になっていないか。**（新バケツの分岐が空で、何も数えていない版が返ってきた）
   3.3 の合計一致アサーションを入れておくと、この不良が実行時に自分から名乗り出る。
4. **「判定不能」を「対処必要」に混ぜていないか。**

出てきた実装をそのまま採用せず、**上記の観点で読んでから1回は本番相当データで走らせる**。
1回目の委譲先が上記1で落ちたら、モデルを替えて出し直すほうが、対話で直させるより速い。

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## 6. チェックリスト

- [ ] 封鎖したフラグ名を grep し、全参照を「操作 / 検証」に仕分けた
- [ ] 検証はフラグから外し、既定で常時実行にした
- [ ] 「未確認」を空集合・空配列・0 で表現していない（別の値・別の表示にした）
- [ ] 合計欄だけでなく**明細行**も、未照合時は断定しない文言になっている
- [ ] 原因ごとのバケツに分け、合計＝母数のアサーションを入れた
- [ ] 終了コードを 0 / 1（対処必要）/ 2（判定不能）に整理した
- [ ] 検証用データのページング漏れを検知し、漏れたら 2 で止まる
- [ ] 修正前後を本番データで走らせ、数字と終了コードの差を並べた
- [ ] 委譲した実装を、複合キー・未宣言変数・空の分岐 の3点で読んでから実行した

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<!-- 出典: マキモノ (機能を封鎖したら相乗りの検証も死ぬ — 未検証のゼロを画面から追い出す v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/md-7d1723de -->
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