# AIの応答を止めるゲートが「会話の後半だけ効かなくなる」罠を塞ぐ

## これは何の話か

AI エージェント（Claude Code 等）に運用ルールを守らせるため、応答完了時に走る hook（Stop hook）で
「条件を満たさない応答をブロックして書き直させる」ゲートを作ることがある。

このゲートには必ず**無限ループ防止の上限**を入れる。AI が何度書き直しても条件を満たせない場合、
永久にブロックし続けると会話が前に進まなくなるからだ。

その上限の**単位を間違えると、ゲートは「長い会話の後半でだけ、静かに全部無効になる」**。
実装は正しく、テストも緑で、短い検証では必ず再現しない。最悪の壊れ方をする。

## 症状

- ルールを追加した。gate も書いた。テストも通る。
- 短い会話では期待どおりブロックされる。
- それなのに**実際の運用では守られていない応答が頻繁に通る**。
- ログを見ると、ゲートは確かに発火して何十回もブロックしている（＝「動いていない」わけではない）。
- 人間から「同じ指摘を3回目」と言われる。

## 原因

上限が **会話（セッション）ごとの累計ブロック回数** になっている。

```js
// ありがちな実装
const blocks = state[sessionId]?.blocks ?? 0;
if (!requestedBlock || !sessionId) return { retryCap: false };
if (blocks >= 2) return { retryCap: true };   // ← 以後その会話は全ゲート無効
state[sessionId] = { blocks: blocks + 1 };
return { retryCap: false };
```

長い会話では、序盤の無関係な指摘2回で上限に達する。
**それ以降、その会話が終わるまで、すべてのゲートが素通りする。**

会話が長いほど「守られない応答」の割合が増えるので、
ルールを足せば足すほど後半が無法地帯になる。しかもログ上はゲートが働いて見える。

## 直し方

上限は捨てない。**単位を「同じ応答本文を繰り返した回数」に変える**。

```js
import crypto from 'node:crypto';

function stateResult(sessionId, requestedBlock, assistantText) {
  if (!requestedBlock || !sessionId) return { retryCap: false };

  const state = loadState();
  const hash = crypto.createHash('sha256')
    .update(String(assistantText ?? '')).digest('hex').slice(0, 16);

  // 本文が変わっていれば「新しい挑戦」なのでカウンタをリセットする
  const blocks = state[sessionId]?.lastHash === hash
    ? (Number(state[sessionId]?.blocks) || 0)
    : 0;

  const sameTextRetries = blocks + 1;
  state[sessionId] = { blocks: sameTextRetries, lastTs: new Date().toISOString(), lastHash: hash };
  saveState(state);

  // 同一本文で3回目のときだけ諦めて通す
  return { retryCap: blocks >= 2, sameTextRetries };
}
```

これで:

| ケース | 挙動 |
|---|---|
| 書き直すたびに本文が変わる | 何度でもブロックされる（＝ルールが最後まで効く） |
| 同じ本文を出し続ける | 3回目で通す（＝無限ループは防げる） |

無限ループ防止の目的は「**同じ失敗を繰り返して詰まること**」の回避であって、
「ブロック回数の総量を抑えること」ではない。単位を目的に合わせる。

## 併せて入れるもの

- state ファイルは放っておくと会話IDごとに無限に増える。書き込み時に
  **最終更新が N 日より古いエントリを捨てる**（日付が壊れている項目も捨てる）。
- ログ（ledger）に「その本文で何回目か」を記録する。
  後から「素通りが常態化していないか」を数えられるようにしておく。

## 検証の仕方（ここが本題）

テストが緑でも安心しない。**実プロセスで3回連続して呼び、3回目が通らないこと**を確かめる。

```
違う本文を3回   → 3回ともブロック   （修正前は3回目が素通りしていた）
同じ本文を3回   → 3回目だけ通る     （ループ防止は維持）
条件を満たす本文 → 通る
```

注意: ゲートに「短い応答は対象外」のような足切りがあると、
検証用のダミー本文が短すぎて**何も起きず全部 pass になる**。
最初に実装を読んで、足切り条件を満たす長さ・形式の本文で試すこと。
（これで1回空振りした。pass が並んだら「直った」ではなく「発火していない」を先に疑う。）

## 一般化できる教訓

**ルールを追加したら、「実装したか」ではなく「会話の後半でも発火し続けているか」をログで確かめる。**

ガードレールの事故には2つの型がある。

1. **登録されていない**: 実装はあるが設定に入っておらず、一度も動かない。
   出力は「変更なし」としか出ないので気づけない。
2. **途中で自分を無効化する**: 登録もされ、実際に発火もしているのに、
   ある時点から静かに全部通すようになる。← 今回の型。

どちらも「実装の有無」を見ている限り永久に見つからない。
**発火記録の時系列**（いつから発火しなくなったか）を見るのが唯一の検出手段。

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<!-- 出典: マキモノ (AIの応答を止めるゲートが「会話の後半だけ効かなくなる」罠を塞ぐ v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/md-6895f317 -->
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