# 外部サイトの「異常」を報告する前に、計測器そのものを対照群で検定する

外部の公開サイト（予約サイト・EC・求人・比較サイト等）をブラウザで読んで
「自社の掲載が異常だ」と判断する前に必ず通す手順。
対照群を**実装として**組み込み、計測器が壊れていたら結論を出させない形にする。

## いつ使うか

- 自社の掲載・商品・求人が「検索に出ない」「売り切れ表示になる」「価格が違う」を疑ったとき
- 外部サイトの表示を根拠に、施策・予算・体制を動かそうとしているとき

## 踏む順番

### 1. まず取得できているかを、成功/失敗ではなく中身で判定する

多くのサイトは、ヘッドレスブラウザに対して**エラーを返さず空のシェル**を返す。
`exit 0` でも、検索フォームが初期値のままの「何も検索していないページ」が返っていることがある。

- 必ず実在ブラウザの User-Agent を設定する。未設定は空シェルの最大の原因。
- 取得できたかは **本文の文字数** と **「自社以外の対象が正常に出ている件数」** で判定する。
- スクリーンショットを保存し、**必ず自分で開いて目視**する。テキスト抽出では
  描画崩れ・二重表示・空フォームを見逃す。

判定の型:

    取得失敗 = 本文が閾値未満 || 他対象で正常な値を持つ件数が 0

### 2. 症状が出たら、正常だと分かっている対象を同じ方法で測る（対照群）

ここが本題。**自社だけを測って症状を語らない。**

対照の選び方:

- 自社と**無関係**で、**同じ日・同じ条件で正常に動いていることが別経路で確認できる**対象。
- 「別経路」の例: 同じ検索結果ページの推薦枠に、その対象が**価格付きで出ている**。
  つまり1枚のページの中に「正常な証拠」と「異常な表示」が同居しているものを選ぶと最も強い。
- 対照は1件ではなく複数取れるとよい（片方がたまたま本当に異常な可能性を消せる）。

対照でも同じ症状が出たら、それは**対象の症状ではなく計測器の癖**。結論に使ってはいけない。

### 3. 対照群をツールに実装し、exit code で止める

人間の記憶や引き継ぎ文に頼らない。**次に触る人（や AI）が同じ罠を踏めないように、
コードが止める**。

    exit 0 = 症状なし（自社と対照が一致）
    exit 1 = 自社固有の症状（対照は正常）  ← これだけが報告に使える
    exit 2 = 測定不能（取得失敗、または対照にも同じ症状が出た）

優先順位は **2 > 1 > 0**。取得できていないのに 1 を返す実装にしない。

対照は「自社と同じ全項目を測る」必要はない。多くの場合、**症状が出た側の1経路だけ**測れば足りる。
対照用エントリに `searchOnly: true` のようなフラグを持たせ、不要な取得はスキップする。

### 4. 「分母」は件数を出すだけでなく、列挙可能かを見る

「N件中に自社が無い」と言うには、N が現実的に列挙できなければ意味がない。

- サイト側が地域・住所・駅などの絞り込みを**広域に丸める**ことがある
  （住所で検索しても市全体の数千件が返る等）。1ページ25件の不在は何の証拠にもならない。
- 絞り込みを変えても分母が縮まらないなら、**その公開画面は露出の計測器にならない**と結論する。

### 5. 「いつ落ちたか」を、過去を持たない画面で測ろうとしない

公開検索には履歴がない。今日のスナップショットから「いつ変わったか」は原理的に出せない。
時系列が要る問いには、履歴を持つ計測器を使う:

- 管理画面（パートナー向けコンソール）の露出・表示回数の推移
- 自社DBの受注データ
- 公開情報でも**日付が入っているもの**（クチコミの利用月、レビュー投稿日など）は
  実売の代理指標として使える。ただし代理指標は**自前データと突き合わせて倍率とズレ month を確かめてから**使う。

## 実装の骨組み

    // 対象。控えめに1件でよいので対照を必ず入れる
    const targets = [
      { label: 'ours',    id: '<自社の識別子>',  name: '<自社の掲載名>' },
      // 対照: 自社と無関係。別経路で「正常に売られている」ことを確認済みのもの
      { label: 'control', id: null, name: '<無関係な対象名>', searchOnly: true },
    ];

    // 取得
    const ctx = await browser.newContext({
      userAgent: '<実在ブラウザのUA>',   // 未設定は空シェルの原因
      locale: '<ロケール>',
      viewport: { width: 1280, height: 2400 },
    });
    await page.goto(url, { waitUntil: 'domcontentloaded', timeout: 90000 });
    await page.waitForTimeout(waitMs);   // networkidle は収束しないサイトが多い
    const text = await page.innerText('body');

    // 取得失敗の判定（成功 exit では判定できない）
    if (cardCount === 0 || otherWithValue === 0 || text.length < 2000) failure = true;

    // 終了コード。対照が症状を出したら測定不能で止める
    const controlRows = results.filter(r => r.label === 'control' && !r.failure);
    const controlSymptom = controlRows.filter(r => r.symptom).length;
    if (controlSymptom > 0) {
      console.log('対照でも同じ症状が出た。この計測は在庫/露出の判定に使えない');
      process.exit(2);
    }
    if (anyFailure) process.exit(2);
    if (anySymptom)  process.exit(1);
    process.exit(0);

## チェックリスト

- [ ] User-Agent を設定した
- [ ] 本文長と「他対象の正常件数」で取得成否を判定した（exit 0 を根拠にしていない）
- [ ] スクリーンショットを自分で開いて目視した
- [ ] 対照群を1件以上測り、対照が正常であることを確認した
- [ ] 対照が症状を出したら exit 2 で止まる実装になっている
- [ ] 分母を出力し、それが列挙可能かを検討した
- [ ] 「いつ落ちたか」を、履歴のある計測器で測っている

## 実際に防いだ誤り（実例）

ある事業者の掲載が予約サイトの検索で「空室はありません」と出た。
掲載ページ側では同じ日程で7室が価格付きで選択可能だった。強い異常に見えた。

対照として無関係な宿を同じ方法で測ると、**同じ検索結果ページの推薦枠でその宿が価格付きで
売られている**にもかかわらず、名前で検索すると「空室はありません」と出て、
しかも代替日候補として**その同じ日程を価格付きで**並べた。

＝ 名前検索という経路が、売られている対象にも売切を返していた。
対照を置かなければ「露出が止まっている実測」として報告し、次の打ち手を丸ごと間違えていた。

さらに同じ調査の前日には、User-Agent 未設定のため**検索が実行されていない空ページ**を
「満室と出た」と読んでいた。エラーは一切出ていない。

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<!-- 出典: マキモノ (外部サイトの「異常」を報告する前に計測器を対照群で検定する v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/md-60647e55 -->
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