# 外部に出ている値を「システム内部のフィールド」で検証して誤診しないための手順

外部サービス（チャネルマネージャ／予約システム／広告配信／在庫連携）に値を送り込む自動化で、
**「送った値が正しく外に出ているか」を内部フィールドで確認すると、高確率で誤った結論に到達する。**
実際にこれで「対象の 7/8 が 6割高で売られている」と誤診し、危うく一律 33% の値下げを実行しかけた。
本書はその失敗の再現条件と、確実に潰す検証手順をまとめる。

## 1. 何が起きるか（失敗の型）

内部APIが返すレコードには、次の3種類が混在している。**名前からは区別できない。**

| 種類 | 例 | 外の見え方との関係 |
|---|---|---|
| 入力値 | 自分が書き込んだ値 | 一致するとは限らない |
| **派生値** | 他レコードから係数で導出された値 | **用途が限定されている**（特定チャネル専用など） |
| **参考値** | 外部ソース由来のヒント値・推奨値 | **販売には一切使われない** |

`fieldA` / `fieldB` のような没個性な名前で並ぶため、**エンティティをまたいで同じ名前のフィールドを比較すると、
違う意味のものを比べてしまう。**

実例:
- エンティティX の `fieldB` = 実際の販売値
- エンティティY の `fieldB` = 特定チャネル専用に 1.5倍で導出された派生値（販売値は `fieldA` の方）
- エンティティX の `fieldA` = 外部ソース由来の参考値（販売に未使用）

→ 「X.fieldB(=6000) と Y.fieldB(=9000) を比べたら Y が 1.5倍だ」＝**完全な誤り**。
実際は X も Y も同じ値で売られていた。

## 2. 係数は「エンティティ単位」ではなく「チャネル単位」で入っていることが多い

上記の 1.5倍は、実は**特定の販売チャネル向けルールにだけ**設定されており、
**全エンティティに等しく掛かっていた**。「一部のエンティティだけ高い」という理解自体が誤り。

```
ルール一覧の実体（各エンティティが個別に保持）:
  [1] チャネルA向け  → 参照元.fieldB × 1.0
  [2] チャネルB向け  → 参照元.fieldB × 1.5   ★これが係数の正体
  [3] チャネルC向け  → 参照元.fieldB × 1.0
  [4] 自社直販向け   → 参照元.fieldB × 1.0
```

**チェック観点**: 係数を見つけたら「どのエンティティに付いているか」ではなく
**「どのチャネルのルールに付いているか」**を必ず確認する。

## 3. 設定が「見えていなかった」真因 — 黙って切られる

この係数を長期間見つけられなかった原因は、**レスポンスの無言の切り捨て**だった。

| 切り捨て箇所 | 症状 |
|---|---|
| 自作ゲートウェイの `slice(0, N)` | N件でぴったり止まる。エラーは出ない |
| 文字数上限での `substring(0, LIMIT)` | JSON が途中で切れて `JSON.parse` が失敗、または前半だけ解釈される |

**実測**: 全設定を含むレスポンスは 235,780 字あったが、45,000 字で切られていたため
係数を持つセクションに一度も到達していなかった。上限を上げるだけでは足りず、**継ぎ足しが必要**。

### 対策: offset ページングで全文を取得する（擬似コード）

```
buffer = ""
offset = 0
loop:
    res = call_gateway(path, offset)
    assert res.offset == offset          # offset が無視されていたら即エラーにする
    buffer += res.chunk
    offset = length(buffer)
    if offset >= res.totalLength: break
assert length(buffer) == res.totalLength  # 継ぎ足し漏れを検出
parse(buffer)
```

**必須**: ①応答に「全体長」と「切り捨てフラグ」を持たせる ②`offset` が無視されていたら例外にする
（ゲートウェイが未デプロイだと黙って先頭を返し続け、無限ループか誤ったデータになる）
③件数上限のあるAPIは**期間・条件を分割**し、**各回が上限未満であることを確認**してから集計する。

## 4. 正しい検証手順（この順で全部やる）

### 手順1: 「消費者向けエンドポイント」を使う

内部レコードではなく、**チャネル／顧客が実際に受け取る形**を返すエンドポイントを探して使う。
在庫・予約系なら「指定条件で購入可能な選択肢とその価格を返す」API がそれにあたる。

```
GET /<consumer-facing-offers>?<entityFilter>&<condition params>
→ 各エンティティごとに「実際に提示される値」が返る
```

**得られるもの**: 派生も参考値も解決済みの、外に出ている本物の値。

### 手順2: 全エンティティ × 全条件で突き合わせる（代表1件で判断しない）

```
一致 N件 / 不一致 0件 / 販売なし M件 / 参照データなし 0件
```

- **代表1エンティティで「反映OK」と言わない。** 係数やルールはエンティティごとに違い得る。
- **「販売なし」を不一致と混同しない。** 在庫切れ・条件外は正常な状態。分けて数える。
- 期待値側（意図した値）のデータが無い区間は `参照データなし` として別カウントし、
  **暗黙に一致扱いしない**。

### 手順3: ブラウザで実描画を確認する

APIが正しくても、外に出ている画面が壊れていることはある（文字化け・二重表示・描画崩れ）。
**ヘッドレスブラウザで実際のページを開き、スクリーンショットを保存して自分で目視する。**

```
node <verify-tool> "<consumer-facing URL>" \
  --expect "<出ているはずの文字列>" \
  --not-expect "<残っていてはいけない旧値>" \
  --shot out.png --wait 9000
```

- テキスト抽出だけで済ませない。**画像を必ず開く。**
- `--not-expect` に**旧値**を入れると、キャッシュ残留・部分反映を検出できる。
- 外部の大手サービスは自動アクセスを遮断することが多い。
  **自社が管理する消費者向けページ（直販ページ等）なら確実に開ける**ので、まずそこを押さえる。

## 5. 検証器そのものが誤診を追認する罠

「毎回不一致が出て警報が形骸化する」ことを嫌って、
**検証器に「この係数は正常」とモデルを書き込むと、以後その乖離を永久に報告しなくなる。**
形骸化を防ぐつもりで、警報を自分で殺すことになる。

**原則**: 検証器の期待値は「**意図した値**（自分が決めた設定）」に置く。
「**外部システムがどう振る舞うか**」を期待値に写してはいけない。
外部の振る舞いをモデル化するなら、それは**別の情報として併記**し、判定基準にはしない。

## 6. チェックリスト

- [ ] 比較しているフィールドは、エンティティ間で**同じ意味**か（派生値・参考値が混ざっていないか）
- [ ] レスポンスは**全文取得**したか（件数上限・文字数上限で切られていないか、全体長と突き合わせたか）
- [ ] 係数・特殊ルールは「エンティティ単位」か「**チャネル単位**」か確認したか
- [ ] **消費者向けエンドポイント**で検証したか（内部レコードで済ませていないか）
- [ ] **全エンティティ × 全条件**で数えたか（代表1件で判断していないか）
- [ ] 「対象外・在庫なし」を不一致と分けて数えたか
- [ ] **ブラウザ実描画のスクショを自分で目視**したか
- [ ] 検証器の期待値は「意図した値」か（外部の振る舞いを写していないか）

## 7. 誤診に気づけた決め手

**「同じ条件で外に出ている実際の値」を取り直したこと**の一点に尽きる。
内部フィールドをいくら丁寧に読み比べても、比べているものが違えば結論は出ない。

**外に出ている状態を語るときは、外から取る。** 内部の値は状態の説明であって、状態そのものではない。

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<!-- 出典: マキモノ (外部連携の値を内部フィールドで検証して誤診しない手順 v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/md-3581b923 -->
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