# 別環境で作られた未マージPRを、現行コードへ安全に移植させる（AI向け指示書）

## これは何

「別のPC／別のメンバー／別のAIが作った未マージPR」を取り込むときの手順書。
AI にこの MD を読ませると、`cherry-pick` して競合を潰すのではなく、**移植すべき設計だけを取り出して現行コードの語彙へ統合し直す**という順序で動く。

対象は、複数の環境（PC・アカウント・エージェント）が同じリポジトリへ交互にコミットする運用。
PR が2〜3日放置されるだけで、同じファイルが本流で大きく書き換わり、**PR本文に書かれた前提が嘘になる**。

## AI がまず理解すること（ここを飛ばすと必ず事故る）

未マージPRの危険は3層あり、**危険の小さい順に目につく**。1 だけ直して終わらせるな。

| 層 | 症状 | 本当の危険度 |
| --- | --- | --- |
| 1. コードが当たらない | `cherry-pick` が競合する | 低（気付ける） |
| 2. **軸（語彙）が二重になる** | PR が独自の設定軸を足しており、本流にも同じ目的の軸が既にある | **最高（気付けない）** |
| 3. 文書の前提が古い | PR の README/手順書が、本流で反転した既定値を古い値で説明している | 高（そのまま配ると嘘を配る） |

層2 は competing な設定軸が2本並ぶので、`axisA=旧値` かつ `axisB=新値` という**意味のない状態を作れてしまう**。
競合もテスト失敗も起こさないため、レビューを通り抜けて後から必ず壊れる。

## 手順

### 1. 本流側の後発変更を数える（`cherry-pick` の前に必ず）

```bash
git fetch origin main
git log --oneline <PRのbase>..origin/main -- <PRが触るファイル>
git diff --stat <PRのbase> origin/main -- <PRが触るファイル>
```

- 後発コミットが**数個以上／数百行**なら `cherry-pick` は使わない。**設計だけ採って手で移植**へ切り替える。
- 判断材料として一度だけ `cherry-pick` を試し、競合ファイル数を見て**すぐ `--abort` する**のは有効。

### 2. 本流に既にある「軸」を先に探す

PR が足そうとしている設定の**同義の軸**が本流に無いか、名前空間ごとに grep する。

```bash
git grep -n "<機能名>\|MODE\|TARGET\|--set-" -- <対象ディレクトリ>
```

- 環境変数名 / CLI フラグ / 永続化 JSON のキー名 / ログに出る語 の**4か所すべて**を見る。
- 見つかったら、**新しい選択肢は既存の軸の「3つ目の値」として入れる**。新しい軸を作らない。
- PR 側の旧表記は捨てず、**読むだけ受ける別名**にして後方互換を保つ（旧フラグを新フラグのエイリアスにする）。
  すでに旧表記を書き込んでしまった環境が存在しうるため。

### 3. 旧値の読み替えは「意味」ではなく「実害」で決める

PR の旧値を新しい軸のどこへ寄せるかは、辞書的な意味ではなく**その値が引き起こした実害の記録**で決める。

- 例: 旧値 `window`（= 別ウィンドウを開く）は、文字通りには「別プロセス経路」に対応する。
  だが本流は「別ウィンドウが既存の作業と衝突する」という**実害を理由に既定を反転**していた。
  → 文字通りの対応先へ復活させると、記録済みの実害へ戻る。**反転後の既定側へ寄せるのが正しい。**
- 判断根拠はコード内コメントや PR 本文に**日付付きで残す**（次に読む人が同じ判断を再現できるように）。

### 4. ゲート・前提条件の適用範囲を見直す

本流には、PR が知らない**ガード**が増えていることが多い（多重起動防止、未処理状態の検出、クールダウン等）。
新しい経路に対して、そのガードが**そもそも意味を持つか**を1つずつ判定する。

- 意味を持つガード（有効/無効フラグ、無人実行の抑止、クールダウン）は**そのまま効かせる**。
- 新経路と無関係なガード（別経路の未処理状態など）は**その経路でだけ無効化**し、理由をコメントに書く。
- 併せて、新経路も**状態の記録（最終実行の経路名など）を必ず書く**。書かないと次回そのガードが誤診する。

### 5. 文書を「現在の事実」で書き直す

- PR の文書は**構成と語り口だけ活かし、事実は全部取り直す**。既定値・残る手作業・コマンド名を実物で確認する。
- 配布URLは**ブランチ参照（`/main/` 等）のままにし、コミットハッシュで固定しない**。
  固定すると改修のたびに受け手へ「URLを貼り替えて」と手作業を強いる。
- 文書を配る前に、**受け手が実際に踏むURLを取得して新機能の目印を grep する**。

```bash
curl -s "<配布URL>" | grep -c "<新フラグ名>"
```

### 6. 実装をAIに委譲するなら、受け入れ前に diff を1ハンクずつ読む

**「このテストを通せ」を合格条件として渡すと、テストを通すために既存の設計判断を壊すことがある。**

実例: 「dry-run が計画を返すこと」を条件に渡したところ、実装AIは
「依存CLIが見つからない場合の早期スキップ」を dry-run の**後ろへ移動**させて条件を満たした。
その早期スキップは、本流が「依存解決の失敗に気付くための診断ログ」として意図的に置いていたもので、
テストは緑のまま**診断能力だけが消えた**。

- 受け入れレビューでは「**依頼していない挙動変更が混ざっていないか**」を専用に1周見る。
- 混ざっていたら戻す。テストが落ちるなら、テストの合格条件のほうを直す。

### 7. 検証（ここまでやって「移植できた」と言える）

- 全テストを流す（PRのテストではなく**現行リポの全体**）。
- **実プロセス・実入力での確認**を1本は必ずやる。フックなら実際の stdin を流し込む:

```bash
echo '{"<イベントのJSON>"}' | node <script> --hook   # 1回目: 期待する出力
echo '{"<同じJSON>"}'     | node <script> --hook   # 2回目: 無出力（一度だけ発火する設計なら）
timeout 6 node <script> --hook < /dev/null          # stdin が来なくてもハングしないこと
```

- 副作用がある処理は、**ホームディレクトリを環境変数で差し替えて隔離**して検証する（実設定を壊さない）。
- 既定の挙動が**変わっていないこと**を明示的に確認する（新機能はオプトインで入れる）。

### 8. 元PRへ敬意を払って閉じる

- 移植コミットに元作者を `Co-Authored-By:` で残す。
- 新PR本文に「元PRのどこを採り、なぜそのままでは入れられなかったか」を層1/2/3で書く。
- 新PRに `Closes #<元PR番号>` を入れる（squash マージで自動的に閉じる）。

## 完了条件（AIはここまで報告する）

1. 全テスト fail 0（件数を書く）
2. 実プロセス・実入力での確認結果（何を流して何が返ったか）
3. 既定の挙動が変わっていないことの確認
4. 配布URLの実測 grep 結果
5. 差し戻した「依頼外の変更」があればその内容

## やってはいけないこと

- 競合を力技で解決して `cherry-pick` を完走させる（層2・層3 が丸ごと残る）
- 新しい設定軸を足す（既存の軸の値として入れる）
- PR本文の「検証済み」を再検証せずに信じる（その検証はPR提出時点の本流に対するもの）
- 共有リポで `git stash` を使う／他人の未コミット変更を巻き込んで commit する
- 移植の途中で競合状態を放置して離脱する（同じ作業ツリーを使う後続が全員詰まる）

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<!-- 出典: マキモノ (別環境で作られた未マージPRを、現行コードへ安全に移植させる v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/md-24a47727 -->
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