# 定額プランの最上位モデルを枯渇させずに使う「二段レーン」設計

## 誰向けか

コーディングエージェント CLI（Codex CLI / Claude Code / その他 agentic CLI）を定額サブスクリプションで回していて、
**最上位モデルが追加されたが 5時間枠・週枠の消費が既定モデルより桁違いに速い**という状況にある人。

「全部を最上位モデルにする」と数日で枠が尽き、「一切使わない」と長時間タスクの完遂率が上がらない。
その中間を**人手の判断ゼロ**で取るためのレーン設計。

## 前提となる観測事実（なぜ二段にするか）

最新世代のエージェント向けモデルは、**純粋な知能指標では既存モデルと数ポイント差しかないのに、
長時間・多ツールのタスク完遂ベンチでは 1.3〜2 倍の差**がつくことがある。
つまり効くのは「短い実装」ではなく「E2E・マイグレーション・横断リファクタのような、
途中で失敗して復帰しながら最後までやり切る」タスク。ここだけに当てれば枠が保つ。

さらに同一モデルでもハーネス（メモリ・文脈管理・圧縮・ツールループ）の差で完遂率が大きく動くので、
**モデルを上げる前に、まずレーン分けと退避・昇格の自動化に投資する方が費用対効果が高い**。

## 設計

委譲の入口スクリプト（`delegate.mjs` 等）に、純関数のレーン判定を1つ足す。

```
decideLane({ lane, model, promptText, timeoutSecs, review, topCooldownMs })
  → { slug, effort, reason }
```

判定順（上から優先）:

1. `--model <slug>` の明示指定 → そのまま使う（クールダウンも無視して再試行できる唯一の経路）
2. `--lane top` / `--lane base` の明示 → その通り
3. 指示ファイルの先頭 40 行に `<!-- lane: top -->` があれば上位、`<!-- lane: base -->` があれば既定
4. `--review`（コードレビュー用途）→ **既定モデル**。レビューは枠を食う割に差が出にくい
5. `--timeout` が 45 分以上 → 上位（長時間タスクは定義上そこが効く領域）
6. 指示本文に長時間性キーワードが **2 種類以上**（`migration` `E2E` `refactor` `横断` `全ファイル` `根本原因` 等）→ 上位
7. それ以外 → 既定モデル

**上位モデルがクールダウン中なら 1 以外はすべて既定モデルへ降格**し、理由を stderr に1行出す。

### 退避（上限に当たった時）

上位モデルで usage limit を検出したら:

- `provider-cooldown.json` に **上位モデル専用のキー**で reset 時刻を書く（既定モデルのキーと分ける。ここを共有すると片方の枯渇で両方止まる）
- 上限到達を 1 行ずつ追記ログに残す（上書き保存の JSON だけだと「24h に何回当たったか」が後から数えられない）
- **同じ指示を既定モデルで 1 回だけ再実行**する。ここで外部の従量課金 API へ落とさない（定額枠の中で完結させる）
- 既定モデルでも上限なら、そこで初めて従来のフォールバック連鎖へ

### 昇格（既定モデルが失敗した時）

auto レーンで既定モデルを選び、結果が次のいずれかなら、上位モデルで**1 回だけ**再実行する:

- 非ゼロ終了 / タイムアウト / **編集を期待したのに diff が空**

3 つ目が重要。エージェント CLI は「何もせず exit 0」で終わることがあり、
終了コードだけ見ていると失敗を成功として数えてしまう。

### 可視化

使用量台帳に `model`（`<cli>/<slug>`）・`lane`・`escalated` を必ず残し、
日次コストレポートに「上位 N セッション / 既定 M セッション / 上位の上限到達 24h 何回」を出す。
**この 1 行があるかどうかで、閾値を勘で動かすか実測で動かすかが変わる**。

## 運用の初期値と調整

- 最初は上の閾値（45 分・キーワード 2 種）で始める
- 1 週間後にレポートを見て、上位モデルの上限到達が 24h に 2 回以上出続けるならキーワード閾値を 3 種へ上げる
- 逆に上位が 24h 0 回で長時間タスクの失敗が残るなら 45 分を 30 分へ下げる

## 落とし穴

- **既存呼び出しとの互換**: `--lane` も `--model` も付けない従来の呼び出しは、既定モデルの挙動と完全一致にする。昇格は「失敗した時だけ」に限る
- **シェルを 1 層も通さない**: 指示本文は必ず stdin かファイルで渡す。argv に載せるとバッククォートや `$()` が展開され、指示から必要なファイル名が消える
- **`-c key="value"` に空白を入れない**: Windows の `shell:true` 起動では引数がエスケープされず、空白があると値が割れる
- **CLI のバージョン要件**: 新モデルは CLI の特定バージョン以降でしか model 一覧に出ない。「アカウントに無い」と結論する前に CLI を更新して model 一覧を取り直す
- **ランタイム検出のタイムアウト**: 別環境（WSL 等）越しに CLI を起動する構成では、コールドスタートが検出プローブのタイムアウトを超えると
  「CLI が無い」と誤判定し、機能が制限された別経路へ静かに落ちる。**exit 0 を成功と見なさず、`git log` / `git diff` の実体で確認する**

## 検証

- レーン判定は純関数として切り出し、全分岐（明示・ヘッダー・レビュー・長時間・キーワード・既定・クールダウン降格）を単体テストする
- 起動引数の組み立ても関数に切り出し、`-m <slug>` と effort 指定が入ることをテストする
- 実機で 1 回だけ read-only の疎通を流し、ヘッダーの `model:` 行と台帳の記録の**両方**で上位モデルが使われたことを確認する

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<!-- 出典: マキモノ (定額プランの最上位モデルを枯渇させずに使う「二段レーン」設計 v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/md-0585d009 -->
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