# 無人エージェントの夜間作業を KPI 化する（「完走しました」を成果の証明にしない）

残タスクを無人エージェントに夜間消化させる構成では、朝に届く報告が
**「N/N セッション完走・失敗0」**になりやすい。これは成果の証明になっていない。
実測すると、38セッション完走のうち **25本が「既に修正済み・差分ゼロ」で何も生んでいなかった**
（＝空回り）という状態が、失敗0のまま何日も続く。

この指示書は、無人作業の成果を数字にするための **指標の設計** を与える。
特に **空回り分をコスト削減効果から差し引く**という一点が要で、これを外すと
「無駄に多く回すほど削減効果が増える」という逆向きの指標になる。

読み替えて使う前提:

- `<残タスク台帳>`: 残タスクが書かれたファイル。完了は打ち消し線＋チェック印などで印が付く
- `<実行記録>`: 1セッション＝1ファイルの JSON。開始/終了時刻・終了ステータス・要約・
  モデル別トークン・実コストを持つ
- `<バッチログ>`: 夜間バッチの1行1ステップのログ

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## 1. 主KPIは3つに絞る

| KPI | 式 | 意味 |
|---|---|---|
| 消化率 `closeRate` | 夜間に完了した残タスク ÷ 夜間開始時点の未消化数 | どれだけ進んだか |
| 空回り率 `noOpRate` | 実質何もしなかったセッション ÷ 全セッション | どれだけ無駄に回したか |
| コスト削減効果 `netSaving` | (同トークンを高価モデルで処理した換算 − 実コスト) − 空回り分 | 差引でいくら得したか |

補助として、残数・純減・**成果率（夜間に作られた PR 数 ÷ セッション数）**・
バッチが実際に動いたか・完了1件あたりの削減額を出す。

### 夜間の窓を先に固定する

「前日18:00 〜 当日09:00（ローカル時刻）」のように**両端を含む窓**を決め、
セッションは開始時刻がこの窓に入るものだけを対象にする。境界はテストで固定する
（17:59は対象外 / 18:00は対象 / 09:00は対象 / 09:01は対象外）。

### 消化数は「後ろ向きに逆算」する

夜間開始時点のスナップショットは普通残っていない。取りに行かずに逆算する。

```
backlogAtEnd    = 現時点で完了印が無い残タスク数（重複除去後）
closedOvernight = 完了日が対象日（または前日で夜間窓内）の残タスク数
backlogAtStart  = backlogAtEnd + closedOvernight
netBurnDown     = backlogAtStart - backlogAtEnd
```

`<残タスク台帳>` が過去ブロックを積み上げる構造なら、**同じタスクが文言違いで複数回書き写されている**。
これを畳まないと分母が水増しされ `closeRate` が歪む。完全一致で畳んだうえで、
近似一致（日本語は文字bi-gram、英数字は語単位の Jaccard、閾値0.7程度）でもう一段畳む。
クラスタ内に1つでも完了印があれば完了として数える。

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## 2. 空回り率 — これが改善の駆動輪

「実質何もしなかった」の判定は、セッションの要約と最終応答を結合したテキストに対する
定型句マッチで足りる。判定語は**名前付き定数にまとめて1か所で足せるように**しておく。

```
コード変更(は)?不要 / 差分ゼロ / 既に修正済み / 変更ゼロ / 実装は不要 /
再実装は行わなかった / already (fixed|resolved|merged) / no (new )?code
```

空回りが起きる典型は **完了済みタスクが台帳に残り続け、毎晩再配布される**こと。
だから空回り率が閾値（30%程度）を超えたら、
「台帳の完了済みブロックを刈る」という改善タスクを**自動で起票**する。
実測では、この起票を1回入れただけで次の測定で空回り率が **65.8% → 0%** に落ちた。

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## 3. コスト削減効果 — 空回り分を必ず差し引く

```
nightCost        = 実行記録の実コスト合計（欠けていればモデル別トークン×単価で算出）
supervisorEquiv  = 同じトークン量を「高価な監督モデル」の単価で再計算した反実仮想
modelSaving      = supervisorEquiv - nightCost
wasted           = 空回りセッションのコスト合計
netSaving        = modelSaving - wasted          ← これを主KPIにする
savingPerTask    = netSaving / closedOvernight
```

**`wasted` を引かない設計にしてはいけない。** 引かないと、無駄なセッションを増やすほど
`modelSaving` が積み上がり、KPI が改善したように見える。実測では
`modelSaving 41.26 / wasted 19.50 / netSaving 21.76` で、**無駄が削減効果のほぼ半分**を食っていた。

出力には必ず「これは list 価格換算であり実請求額ではない」と明記する。
定額プランで動かしている場合、この数字は請求額ではない。

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## 4. 「動いたか」の検証はログの不在を見る

ここを間違えると、検証しているつもりで何も検証していない状態になる。

- **ログファイルが存在しない = 異常**。`ステップ 0/0` を「正常」と丸めない
- ログはあるが最終サマリ行が無い = 途中で停止
- 取得できなかった値（スケジューラ情報など）は `null` にする。**0 や「正常」に丸めない**

### 結果語の表記ゆれで取りこぼす

1行1ステップのログは、実運用で**コロン付きとコロン無しが混在**する。
`ok:` の前方一致だけで数えると、素の `ok` を1件も数えない。
失敗語も `error:` だけでなく `NG` などが実在する。**実ログを全行読んで語彙表を作る。**

| 分類 | 表記例 | 出力先 |
|---|---|---|
| 成功 | `ok` / `ok:...` | `stepsOk` |
| 失敗 | `error:...` / `NG` / `NG:...` | `failedSteps` |
| 警告 | `warn:...` | `warnSteps`（失敗と分けて数える） |

サマリ行はステップ数から除外し、完了判定にだけ使う。
実測では、この取りこぼしで `ok=7/24`（実際は22件が成功）と誤報していた。

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## 5. 測れない指標は載せない

「同じテーマに何本張り付いたか（テーマ集中率）」は、直感的で欲しくなるが**実測では作れなかった**。
記録として残す（同じ試行を繰り返さないため）。

長文どうしの Jaccard 係数は和集合が支配的になり、人手判定 **約74%（29/39）** に対して:

| キーにした欄 | 閾値0.3 | 0.4 | 0.5 |
|---|---|---|---|
| タスク文のみ | 7.7% | 5.1% | 5.1% |
| 要約全文 | 7.7% | 5.1% | 5.1% |
| 要約の目的節 | 5.1% | 2.6% | 2.6% |

代替案の「着手時点で完了済みのタスクを配られた率」も **1/39** で不発だった。
完了印は**その夜のセッション自身が事後に付ける**ので、配布時点の重複は検知できない。

**実態74%に対して5%と出す指標は、無いより悪い。** 取り下げて、
精確に測れる **成果率（PR数 ÷ セッション数）** に差し替えた。判断の基準はこれ:

> 指標を実データに当て、人手の実測値と桁が合わなければ棄却する。
> 閾値をいじって数字を合わせにいかない。

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## 6. 改善の自動起票（ループを閉じる）

測るだけでは改善しない。閾値割れで `<残タスク台帳>` の先頭へ改善タスクを**重複なしで**追記する。

| 条件 | 起票 |
|---|---|
| ログ不在 | P0: バッチが起動直後に死んでログを1行も書いていない |
| サマリ行なし | P0: 途中停止。最終ステップ = ... |
| 失敗ステップあり | P1: ステップ失敗: ... |
| 空回り率 > 30% | P1: 完了済みタスクが台帳に残り再配布されている。完了ブロックを刈る |
| 成果率 < 30% かつ セッション数 ≥ 5 | P1: N セッションに対し成果 M 件。タスクの粒度と配り方を見直す |

**毎朝おなじ内容を積まないこと。** 未完了の同内容タスクが既にあれば追記しない。

通知の失敗で KPI 算出自体を失敗扱いにしない（通知不達とデータ欠損は別物）。

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## 7. 実行時刻は既存タスクとぶつけない

KPI 集計タスクを既存の定期タスクと**同じ時刻に置かない**。
同時刻起動は、共有リポジトリ・共有ログファイルの奪い合いで
「片方が rc=1・ログ0行で無音死」を起こす。数分ずらし、ランダム遅延を付ける。

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## 検証（ここまでやって「できた」と言う）

1. ユニットテスト: 窓の境界 / ログ不在 / サマリ行なし / 表記ゆれ（`ok` と `ok:`、`NG` と `NG:`）/
   重複タスクの畳み込み / 分母0で `null` / 壊れた JSON でも落ちない / 同内容タスクの再起票なし
2. **実データで空撃ちし、人手で数えた値と突き合わせる**。ずれたら数字を丸めず、ずれた事実を記録する
3. 実際に定期実行させ、**翌朝に出力ファイルが生成されていること**を確認する
   （登録しただけで動いていない、が最も多い失敗）

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<!-- 出典: マキモノ (無人エージェントの夜間作業をKPI化する（「完走しました」を成果の証明にしない） v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/kpi -->
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