# GAS Webアプリの「同時呼び出しの数が多すぎます: スプレッドシート」対策

## 症状
複数人が同時に使うGoogle Apps Script製のWebアプリ（`doGet`で配信し`google.script.run`でRPCするタイプ）で、
ある瞬間から特定の画面だけ以下のようなエラーが表示されるようになる。

```
エラー: 同時呼び出しの数が多すぎます: スプレッドシート
```
(英語環境では `Too many simultaneous invocations: Spreadsheet`)

## 原因
これはアプリ固有のバグではなく、**同じスプレッドシートに対して複数の実行（＝複数ユーザーの同時アクセス）が
短時間に集中したときにGoogle Apps Script側が出すクォータ制限エラー**。

特に次の条件が揃うと発生しやすい:
- `SpreadsheetApp.openById(SAME_ID)` を呼ぶ関数がコード内の多数箇所（十数〜数十箇所）に散らばっている
- 1回の画面ロードでクライアントが複数の `google.script.run` を並行に発火する
- 1つのサーバー関数の中で、同じスプレッドシートを目的別に何度も開き直している（例: 案件シートを開いた後、
  別の関数を呼んでマスタシートをもう一度開く、など）
- アプリの利用者が複数人おり、業務のピーク時間帯にアクセスが重なる

これらが重なると、瞬間的な同時実行数がGAS側の上限に触れ、リトライ処理が無いコードではそのまま
ユーザーにエラーが表示されてしまう。

## 切り分け方
1. エラーメッセージに「同時呼び出し」「simultaneous」が含まれるか確認する（サーバー側の一時的な
   クォータエラーである可能性が高いサイン。恒常的な権限エラーや構文エラーとは性質が違う）。
2. コード内で同じスプレッドシートIDに対する `SpreadsheetApp.openById(...)` の呼び出し箇所数を数える
   （`grep -c "SpreadsheetApp.openById" *.gs`）。1桁で収まっていれば別原因の可能性が高い。
3. 複数人が同時にアプリを操作するタイミング（始業直後・繁忙時間帯など）で再現するかをヒアリングする。
   単独利用時には再現しないことが多い。

## 対策: リトライ付きラッパー関数に一括置換する

`.gs` ファイルの冒頭に以下のヘルパーを追加する。

```javascript
// スプレッドシートを開く（同時アクセス過多エラーに備えてリトライ）
function openSSWithRetry_(id) {
  var maxRetries = 4;
  var delays = [300, 800, 1500, 3000]; // ms, 徐々に長く
  for (var i = 0; i < maxRetries; i++) {
    try {
      return SpreadsheetApp.openById(id);
    } catch (e) {
      var msg = String(e && e.message || e);
      var isQuotaError = msg.indexOf('同時呼び出し') !== -1 || msg.indexOf('simultaneous') !== -1;
      if (!isQuotaError || i === maxRetries - 1) throw e;
      Utilities.sleep(delays[i] + Math.floor(Math.random() * 200)); // 軽いジッター
    }
  }
}
```

その上で、ファイル内の `SpreadsheetApp.openById(...)` をすべて `openSSWithRetry_(...)` に機械的に置換する
（正規表現 `SpreadsheetApp\.openById\(` → `openSSWithRetry_(` で安全に一括置換できる。`FormApp.openById`
など他のサービスは対象外）。

ポイント:
- **クォータエラー以外（構文エラー・権限エラー・存在しないID等）はリトライせず即座に再スローする**。
  無関係なエラーまでリトライすると原因究明が遅れる。
- 待機時間は徐々に伸ばす（300ms→800ms→1500ms→3000ms）と、短い衝突は数百msで解消し、
  重い衝突でも数秒以内に解消することが多い。
- ジッター（ランダムな遅延の上乗せ）を入れることで、複数の実行が同時にリトライしてまた衝突する
  「再衝突」を避けやすくなる。
- 既存の try/catch で独自のエラーメッセージに変換している箇所は、内側の `openById` 呼び出しだけを
  置換し、外側の catch ロジックは変更しない。

## 適用後の確認
- 構文チェック（`node --check`。`.gs`は`.js`に拡張子を変えてチェックすればよい）
- デプロイ後、ソースを`clasp pull`し直してローカルファイルとバイト単位で一致することを確認する
  （デプロイの取りこぼしを防ぐ）
- 実際に複数人で同時に操作してもらい、エラーが再現しないことを確認する

## 応用
- 同じ問題は `DriveApp`, `FormApp` など他のGASサービスでも構造的には起こりうる（当該サービス名を
  エラーメッセージから読み取り、同じパターンのラッパーを用意すればよい）。
- 1回のリクエストで同じスプレッドシートを何度も開き直している場合は、リトライ対策に加えて
  「サーバー関数内でSpreadsheetオブジェクトを使い回す」「読み取り専用データはCacheServiceで
  数十秒キャッシュする」ことで、そもそもの同時オープン回数自体を減らせる。

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<!-- 出典: マキモノ (GAS Webアプリの同時アクセスクォータエラー対策 v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/gas-web-2 -->
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