# コードの既定を直したのに挙動が変わらない — 設定ファイルの env 注入を疑う

## この指示書が解く問題

CLI エージェント（Claude Code / Codex CLI 等）が起動するサブプロセスの挙動を変えようとして、

1. ソースの既定値を書き換えた
2. テストも通した
3. ユーザー環境変数も `setx` / `export` で設定した

のに **挙動がまったく変わらない**。しかも「古いコピーが残っているせいだ」と誤診して、
worktree やバックアップディレクトリを延々と探し回る。

真因は多くの場合 **設定ファイル（`~/.claude/settings.json` の `env` ブロック等）が
全セッションのプロセス環境へ値を注入していて、それがコードの既定より上位にある** こと。
env は姿が見えないので、コードを何度直しても勝てない。

## 優先順位を先に確定させる

分岐の実装がこの形なら、優先順位は上から順になる。

```js
export function pickRoute({ capability, flagTarget, env }) {
  const target = flagTarget ?? env.MYTOOL_TARGET;   // ← env が既定より先に効く
  if (target === 'a') return 'a';
  if (target === 'b') return 'b';
  return capability ? 'a' : 'b';                     // ← ここを直しても届かない
}
```

| 順位 | 出どころ | 見え方 |
|---|---|---|
| 1 | CLI フラグ (`--target x`) | 呼び出し側に書いてあるので見つけやすい |
| 2 | **設定ファイルの `env` 注入** | **見えない。ここが事故る** |
| 3 | ユーザー/マシン環境変数 | 2 に負ける |
| 4 | コードの既定値 | 1〜3 が無い時だけ効く |

**3 が 2 に負けるのが致命的**。「環境変数を設定したから直った」と報告すると嘘になる。

## 診断手順（この順で機械的にやる）

### 1. まず「いまのプロセスの実効値」を読む

設定した値ではなく **走っているプロセスが持っている値** を見る。3つのスコープを並べて比較する。

```powershell
# Windows
"USER:    " + [Environment]::GetEnvironmentVariable('MYTOOL_TARGET','User')
"MACHINE: " + [Environment]::GetEnvironmentVariable('MYTOOL_TARGET','Machine')
"PROCESS: " + $env:MYTOOL_TARGET
```

```bash
# macOS / Linux
echo "shell:   $MYTOOL_TARGET"
tr '\0' '\n' < /proc/<pid>/environ | grep MYTOOL_TARGET   # 実際に走っているプロセス
```

`USER=期待値` なのに `PROCESS=古い値` なら、**その差を作っている注入元が居る**と確定する。

### 2. 注入元を全文検索する

```bash
grep -rn "MYTOOL_TARGET" ~/.claude/settings.json ~/.claude/settings.local.json \
  ./.claude/settings*.json ~/.bashrc ~/.zshrc ~/.profile 2>/dev/null
```

設定ファイルの `env` に古い値が残っているのが典型。
**その値は「昔の既定を明示していた頃の手書き」であることが多く、配布ツールは書き換えない＝自動では直らない。**

### 3. 直したら「全コピー」を dry-run で確かめる

同じツールのコピーが複数ある環境（worktree、バックアップ、配布先ディレクトリ）では、
**1本だけ試して満足しない**。全部を列挙して同じ入力で流す。

```bash
for f in <パス1> <パス2> <パス3>; do
  echo "--- $f"
  MYTOOL_TARGET=<期待値> node "$f" --dry-run 2>&1 | head -3
done
```

全部が期待どおりの分岐を返したら、**「古いコピーが残っている」説は棄却できる**。
逆にここを飛ばすと、真因が env なのにコピー探しを続けることになる。

### 4. 結果は「実物」で確認する

ログの `ok` ではなく、**生まれたプロセスそのもの**を数える。
サブプロセスがどこから起動したかは親プロセスを辿るのが確実。

```powershell
# 自分の祖先を辿る（どの経路で起動されたセッションか分かる）
$p=$PID; for($i=0;$i -lt 6;$i++){
  $o=Get-CimInstance Win32_Process -Filter "ProcessId=$p" -ErrorAction SilentlyContinue
  if(-not $o){break}; '{0} {1}' -f $o.ProcessId,$o.Name; $p=$o.ParentProcessId }
```

```bash
# Linux / macOS
ps -o pid,ppid,comm -p $$ ; ps -o pid,ppid,comm -p $PPID
```

「直したはず」の調査中に、**調べている自分自身が旧経路で起動していた**という形で
決定的証拠が出ることがある。開始時刻の一致で推定せず、**親プロセス名で数える**こと。

## 落とし穴

- **フォールバックが黙って旧経路に落ちる**。`return capability ? 'a' : 'b'` は、
  `capability` の検出（実行ファイルの探索など）が環境依存で失敗すると、警告なしに `b` へ落ちる。
  禁止したい経路がある場合は、フォールバックではなく **明示指定が無ければスキップしてログを出す** 設計にする。
- **全体を止める非常スイッチは1つに集約する**。コピーが増える前提なら、
  各コピーが起動時に読む共有の状態ファイル（`{"enabled": false}`）を1つ持たせる。
  コードを直しても古いコピーは止まらないが、共有スイッチなら全部止まる。
- **並行して同じ修正をしている作業者が居る**。着手前に上流を fetch して、
  同じ修正が既にマージされていないか確認する。重複していたら自分の方を捨てる。
- **設定ファイルは配布で上書きされない**。手書きされた値は各端末に残り続けるので、
  端末ごとに `grep` して回る必要がある。「配布したから全台直った」と言わない。

## 再発防止として残すもの

- 設定ファイルの `env` に **昔の既定値を明示で書かない**（既定はコード側に置く）。
  どうしても書くなら、コメントで「なぜ明示しているか」を残す。
- 「設定を直したのに効かない」を見たら、**最初に見るのは設定ファイルの `env`**、というチェック順を
  ルール/メモリに固定する。ここを最初に見るだけで、コピー探しの数時間が消える。

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<!-- 出典: マキモノ (コードの既定を直したのに挙動が変わらない — 設定ファイルの env 注入を疑う v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/env -->
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