# AIエージェントが「報告された不具合」を否定する事故を Stop hook で機械的に止める

## 誰のための手順か

Claude Code など、ツールを持つAIエージェントに障害調査をさせている人。
「ユーザーがエラーを見て報告したのに、AIが『問題ありません』と結論して調査が止まる」事故を潰す。

## 典型的な事故の形

1. 人が「サービスXがエラーZで失敗し続けている」と報告する（しばしば正解の仮説付きで）
2. AIは X を直接見る手段がない（ブラウザログイン必須の管理画面など）ので、**見える場所だけ**を網羅する
3. 見える場所（CI のログなど）が正常だったので「**問題ありません／対応は不要です**」と断定する
4. さらに「直近N件は全て成功、報告と実データが合っていません」と、**人の報告の方を否定**する
5. 実際は管理画面に警告が出ていた。人がスクショを1枚送った瞬間に解決

**損失は往復回数**。初回にスクショを頼めば1往復で終わるものが、数日かかる。

## なぜ「ルールを書く」だけでは防げないか

多くの現場には既に「未確認なら未確認と書け」という規約がある。それでも再発する。
さらに悪いことに、**既存の検査ロジックやテストが抜け穴を仕様として固定している**ことがある。
実例: 「外部状態の否定断定には直接照会の証拠を要求する」検査が、
**ベンダーを区別せずに「どれか1つのCLIを叩いていれば免除」**になっていた。
結果、GitHub を調べた証拠で、まったく別のサービスの課金状態を断定できてしまっていた。

→ 散文のルールではなく、**応答を機械的に検査して止める**。

## 実装する3つのルール

### R1 報告された不具合を、エージェント側の観測で否定させない

- **発火条件（両方）**
  - 現ターンのユーザー発言に不具合報告がある（`エラー / 失敗 / 動かない / 落ちる / できない / 不具合 / too low` 等＋対象名）
  - 応答に「不具合の不存在」の断定がある
    （`問題ありません / 問題なし / 異常なし / 正常です / 対応は不要 / 必要ありません / 影響ありません / 起きていません / 実データが合っていません / 報告が誤り`）
- **免除条件（すべて）**
  - 報告対象のシステムそのものへの直接照会の tool_use が現ターンにある
  - 応答に `[直接照会: <システム名>]` のマーカーがある
- **メッセージ**: 「報告された障害は事実、再現できない側が証拠不足。未照会なら『未再現』と書け。一度成功したテストは『その時点で動いた』以上の意味を持たない」

既存の検査が「モノの不存在」（`存在しない / ありません / 見つからない`）専用になっていることが多い。
**「不具合の不存在」は別語彙**なので必ず足す。ここが最大の抜け穴。

### R2 証拠のベンダーと、断定の対象ベンダーを一致させる

既存の「直接照会したか」判定が真偽値なら、**集合に分解する**。

```js
// before: どれか1つ叩いていれば true
export function hasDirectQueryEvidence(raw) { /* ... */ return true/false }

// after: 叩いた vendor の集合を返す
export function queriedVendorsFromRaw(raw) // Set<'github'|'cloudhost'|'cloudprovider'|...>
export function claimVendors(sentence)     // その文がどの vendor の状態を述べているか
// 免除は「claim の vendor ⊆ queried の vendor」のときだけ
```

- vendor の判定材料: CLI 名、URL のホスト名、MCP サーバー名
- 対象語彙に**課金系を必ず入れる**（`残高 / クレジット / 請求 / 支払い / カード / 課金 / 自動チャージ / レート制限 / 利用上限`）。
  課金の断定は事故になりやすいのに、既存の語彙リストから漏れていることが多い
- ブロック理由に「**<断定対象> を照会せずに <実際に叩いた先> の証拠で断定している**」と名指しで出す。
  抽象的な警告は読み飛ばされる

### R3 到達不能な証拠は「同じメッセージで」依頼させる

- **発火条件**: 応答に「アクセスできません / 代行できません / API が無い / ブラウザログインが必要 / 確認不可」があり、かつ現ターンに不具合報告がある
- **免除条件**: **同じメッセージの中に**具体的な取得依頼がある（スクショ／画面の数値／該当URLで見える値）
- **メッセージ**: 「見える場所を網羅してから最後に依頼するのは禁止。到達不能な証拠は最初の応答で依頼し、調査と並行させる」

これが往復回数を直接削る。R1/R2 は誤った結論を止めるだけだが、R3 は**正しい手順を強制**する。

## 配線

```
Stop hook → gate runner → [R1, R2, R3, 既存gate...] のいずれかが block なら理由を返す
```

- 各ゲートに `<PREFIX>_<NAME>_GATE=warn` の env スイッチを付け、warn に落とせるようにする（誤爆時の緊急避難）
- CI で全ゲートのテストを回す

## 検証のしかた（ここを省くと意味がない）

**実際に起きた事故の文面そのものを fixture に入れて、block されることを確認する。**
合成した例文だけで通すと、現実の言い回しが素通りする。

```js
const cases = [
  ['残高の否定',   '残高は枯渇していません。対応は不要です。'],
  ['報告の否定',   '直近10件は全て成功で、実データが合っていません。'],
  ['推論を確定',   '原因が確定しました。別の組織のキーです。'],
  ['依頼なし',     '管理画面はブラウザログインが必要で代行できません。CI を調べた範囲では異常なしでした。'],
];
// 期待: 4/4 block
// 併せて、正しく書き直した版が pass することも確認する（誤爆検査）
const fixed = '管理画面は API が無いため残高は未確認です。該当ページのスクショを1枚ください。';
```

誤爆防止の pass ケースも同数以上入れる。特に以下は通すこと。

- 過去の自分の誤りを**訂正している**文
- ゲート自体の**仕様を説明している**文
- 正しく「未確認／未再現」と書いている文
- マーカー付きで実際に対象を照会している文

## 変更が既存テストとぶつかったら

抜け穴が**テストで仕様として固定されている**可能性が高い。
「別ベンダーの照会で免除される」ことを正しい挙動として書いたテストがあれば、
**テストの期待値を直す**（ゲートを緩めない）。ここで迷うと欠陥がそのまま残る。

## 効果の測り方

- 「人の報告を否定した応答」の件数（ゼロが目標）
- **不具合1件あたりの往復回数**（これが本命。R3 が効くと目に見えて減る）

## 落とし穴

- **exit code を信用しない**。テストランナーが失敗を出しながら exit 0 を返すことがある。
  必ず `fail N` の行を読む
- **大量並列実行の失敗は flake の可能性**。変更前のコミットで同じファイルだけを回して比較する
  （作業ツリーを汚さずに済む一時チェックアウトを使う）
- **並行セッションの重複**。同じ目的を別セッションが先に実装していることがある。
  着手前に対象リポジトリの最新 main と未マージPRを確認する

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<!-- 出典: マキモノ (AIが「報告された不具合」を否定する事故を Stop hook で機械的に止める v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/ai-stop-hook -->
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