# 運用ルールを AI に守らせる「宣言強制ゲート」hook の作り方

CLAUDE.md や社内ルールに「安いモデルへ委譲せよ」「大量処理は夜間バッチへ回せ」と書いても守られない。
守らせる唯一の実効手段は **依頼を受けた瞬間に、応答冒頭で1行の判定を宣言させる** こと。
この MD は、その「宣言強制ゲート」を UserPromptSubmit hook として実装する型を渡す。

## なぜ宣言させるのか（設計の核）

1. **強制点は「実装を書く瞬間」では遅い。** ファイル書き込み時点（PreToolUse）で警告しても、
   高価な推論は既に終わっている＝捨てるしかないので無視される。**依頼受領時（UserPromptSubmit）**に割り込む。
2. **受動的なリマインドは効かない。出力を要求する。** 「〜を検討せよ」は無視されるが、
   「応答冒頭に `**[判定]** A（理由: …）` を1行書け」は書かざるを得ず、しかも**人間から見えて監査できる**。
3. **ブロックしない。** 警告と宣言要求だけに留める。人間の承認プロンプトを潜脱させたり、
   選択肢を伏せたりする設計にしてはいけない（同意の剥奪になる）。
4. **黙る条件を必ず作る。** 毎回出すとノイズ化して無視を学習する。無関係な依頼・質問・
   既に宣言済みのプロンプトでは何も出さない。

## 実装（Node.js / hook 1ファイル）

`hooks/policy-gate.mjs` — stdin に JSON、stdout に1行 JSON。例外は握って必ず exit 0（人間の操作をブロックしない）。

```js
#!/usr/bin/env node
let raw = '';
process.stdin.setEncoding('utf8');
for await (const chunk of process.stdin) raw += chunk;
try {
  if (!raw) process.exit(0);
  const input = JSON.parse(raw);
  const prompt = String(input.prompt || '');
  if (prompt.length < 2) process.exit(0);
  const parts = [];

  // --- ルール1: 実装依頼 → 安い/定額の実行系へ委譲させる ---
  const impl = /実装|作って|書いて|直して|修正|リファクタ|バグ|fix|implement|デバッグ/i;
  const question = /どう思う|教えて|説明して|とは|なぜ|比較|調べて/;
  const strong = /実装|作って|書いて|直して|修正|fix|implement/i;
  if (!prompt.includes('[委譲判定]') && impl.test(prompt) && (!question.test(prompt) || strong.test(prompt))) {
    parts.push('[委譲ゲート] 応答冒頭に必ず1行: `**[委譲判定]** 実装=<定額のコード生成CLI>（理由: …）` ' +
      'または `**[委譲判定]** 自分で実施（理由: 数行の修正 / 設定ファイル / 設計試行錯誤中）`。宣言せず着手は違反。');
  }

  // --- ルール2: 大量処理 → 夜間バッチ(半額)か即時かを宣言させる ---
  const count = prompt.match(/(\d{2,})\s*(件|社|行|本|通|人|個|ファイル)/);
  const bulk = /一括生成|全件|バックフィル|エンリッチ|棚卸し|全部に対して|再生成/;
  if (!prompt.includes('[夜間判定]') && ((count && Number(count[1]) >= 20) || bulk.test(prompt))) {
    if (/今すぐ|すぐに|至急|急ぎ|今日中|即時|リアルタイム/.test(prompt)) {
      // 依頼者が急ぎと明示している時に夜間を勧めるのは有害。即時側で確定させる。
      parts.push('[夜間ゲート] 応答冒頭に `**[夜間判定]** 即時実行（理由: 依頼者が急ぎと明示）` と宣言し同期実行へ。');
    } else {
      parts.push('[夜間ゲート] 応答冒頭に `**[夜間判定]** 夜間バッチ(半額・翌朝) — 投入: <キュー投入コマンド>` ' +
        'または `**[夜間判定]** 即時実行（理由: 依頼者が待っている / ブロッキング）` と宣言。' +
        '夜間に落とすなら黙って遅延させず、依頼者に「夜間(半額・翌朝結果)でよいか、今すぐ必要か」を伝え、' +
        '今すぐなら同期実行に切替える。');
    }
  }

  if (!parts.length) process.exit(0);
  console.log(JSON.stringify({
    hookSpecificOutput: { hookEventName: 'UserPromptSubmit', additionalContext: parts.join('\n') },
  }));
} catch {}
process.exit(0);
```

登録（`~/.claude/settings.json`。追加のみ・既存 hook を消さない）:

```json
{ "hooks": { "UserPromptSubmit": [ { "hooks": [ { "command": "node \"<絶対パス>/hooks/policy-gate.mjs\"" } ] } ] } }
```

## 必須の型（ここを外すと静かに壊れる）

- **context 注入 hook（UserPromptSubmit / SessionStart / Stop / Notification）に `async: true` を付けない。** 付けると注入が黙殺される。
- **例外は全部握って exit 0。** hook の失敗が依頼をブロックしてはいけない。
- **既に宣言タグを含むプロンプトでは黙る**（`prompt.includes('[委譲判定]')`）。人間が判定済みの時に再要求しない。
- **急ぎ表明の検知を必ず入れる。** これが無いと「今すぐ」と言われた依頼に夜間バッチを勧めて信頼を失う。
- **設定ファイルは BOM 無し UTF-8 で保存。** BOM があると JSON パースに失敗して hook 登録が丸ごと無効になる。
- **PowerShell 版を書くなら stdin を UTF-8 として明示的に読む**（既定のままだと日本語が化ける）。

## 検証（ここまでやって初めて「入った」と言える）

ユニットテストだけでは不十分。**hook を実プロセスとして起動し、発火／非発火の両方**を確認する。

```bash
printf '%s' '{"prompt":"300件の会社を分類して"}'     | node hooks/policy-gate.mjs   # → 夜間判定の要求が出る
printf '%s' '{"prompt":"500件を今すぐ分類して"}'      | node hooks/policy-gate.mjs   # → 即時側になる
printf '%s' '{"prompt":"1件だけ分類して"}'            | node hooks/policy-gate.mjs   # → 何も出ない
printf '%s' '{"prompt":"[夜間判定] 300件を分類して"}' | node hooks/policy-gate.mjs   # → 再注入されない
printf '%s' '{"prompt":"ログイン機能を実装して"}'      | node hooks/policy-gate.mjs   # → 既存ルールが非回帰
```

回帰テストは「注入文に含まれるべき語」で assert する（例: `[夜間判定]` を含む / 小規模では含まない）。
文面をリファクタしても壊れないよう、**キーワード単位**で検査するのがコツ。

## 落とし穴（実際に踏んだもの）

- **直すファイルを間違える。** 同名・似た名前の旧実装が残っていて、そちらを直しても1行も発火しない。
  着手前に必ず `settings.json` に登録されているコマンド文字列を読み、**今動いている実体**を特定する。
- **複数PCへ配る場合、「マージした＝各PCで動いている」ではない。** リポジトリを `git pull --ff-only` で
  同期する設計だと、未コミット変更やローカル専用コミットがある端末では pull が abort し、
  **配布だけが静かに止まる**。配布物のバージョン一致（ハッシュ or 機能マーカー）を点検する仕組みを別に持つ。
- **文面を強くしても守られない時は、発火点が意思決定より後になっていないか**を疑う。強制点の位置が本質。

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<!-- 出典: マキモノ (運用ルールをAIに守らせる「宣言強制ゲート」hook v1.0.0) https://makimono-md.vercel.app/md/ai-hook-2 -->
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